研究課題/領域番号 |
10440061
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研究機関 | 茨城大学 |
研究代表者 |
坪井 昌人 茨城大学, 理学部, 助教授 (10202186)
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研究分担者 |
横沢 正芳 茨城大学, 理学部, 教授 (30158357)
松尾 宏 国立天文台, 野辺山宇宙電波観測所, 助手 (90192749)
春日 隆 法政大学, 工学部, 教授 (70126027)
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キーワード | ハッブル定数 / 宇宙論的観測 / ミリ波受信機 |
研究概要 |
野辺山45m電波望遠鏡での観測:野辺山45m鏡で遠方銀河団CL0016+16のスニヤエフゼルドビッチ(SZ)効果を平成10年12月-11年2月に引き続き平成11年12月に43GHzでマッピング観測して、SZ効果の動径分布を求めることに成功した。この観測より求まったSZ効果の大きさは銀河団中央でアンテナ温度減少量にしてΔT_0=-0.51±0.17mKであった。この銀河団のSZ効果は銀河団の周辺に向かうにしたがい緩やかに減少し、銀河団中央から130″程度で観測の雑音レベルまでに減少した。この結果と等温球形β-モデルとの矛盾は見つからなかった。このCL0016+16の測定値とA2218の以前の我々の観測結果を総合し求めたハッブル定数は現在までの予備的結果であるが、60km/s/Mpcである。これはいままでの光学観測よる観測値を支持するものである。 野辺山45m鏡内の受信機の改良:我々はすでに40GHz帯2×3ビーム超伝導受信機を開発した。システム雑音温度より理論的に求められた予想感度を望遠鏡上で連続波観測感度として平成11年度までに達成している。このシステムをさらに高感度にするためには、超伝導受信機の広帯域化することが必要である。我々はこの可能性を超伝導素子と初段増幅器をミキサーマウント内で直接結合する手法で追及した。この結合実験は成功し、超伝導受信機レベルでは受信機を動作させることができた。しかし、インピーダンス不整合が残り周波数特性が良くない点と、増幅器からの熱伝導で超伝導素子の物理温度が上昇し特性を悪化させている点が未解決な問題として残っている。
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