研究概要 |
1.広帯域波長可変周波数シフト帰還型レーザーの製作 エルビウム添加光ファイバを利得媒質として用いて周波数シフト帰還型レーザーを製作し,周波数シフト帰還型レーザーの特長であるチャープ周波数コム出力を確認した。エルビウム添加光ファイバを利得媒質に用いることによって,10nm程度の波長域で出力波長を変化することができた。この波長同調では,共振器内の音響光学素子を利用することにより,高速な波長変化が可能である. 2.周波数シフト帰還型レーザーによる光ファイバの群速度分散の分光測定 周波数シフト帰還型レーザーを利用することによって,光ファイバの群速度分散を精密に計測する方法を理論的に提案し,製作した周波数シフト帰還型ファイバレーザーを用いて実験を行った。マイケルソン干渉計を用いて,参照光と光ファイバを通過した信号光のビートを観測することにより,光ファイバの群速度分散値を0.1ps/nm/km程度で測定した. 3.周波数シフト帰還型レーザーによる光ファイバの偏波モード分散の測定 超高速光通信において重要な偏波モード分散の測定を行う方法を提案し,周波数シフト帰還型ファイバレーザーとオフセット遅延回路,マイケルソン干渉計を用いて実験を行った.その結果,偏波モード分散値を0.01psの精度で測定できることを明らかにし,光通信網への応用に十分であることを示した.
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