研究分担者 |
藤原 彰彦 三菱電機(株), 京都精機製作所, 主務
苅田 充二 神鋼電機(株), 開発本部, 次長
中川 平三郎 滋賀県立大学, 工学部, 教授 (50033345)
松原 厚 京都大学, 工学研究科, 助手 (80243054)
井原 之敏 京都大学, 工学研究科, 助手 (90213199)
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研究概要 |
(1) リニアサーボ系のハイゲイン化 リニアモータ応用工作機械では,構造体の振動が位置検出用のスケールを通してサーボ系に影響を与え,これが制御系を不安定にしている.これを防止するために振動制御サーボ系の設計を行った.送り系のすべての状態量を推定してフィードバックを行う方式(タイプ1),制御系を不安定化するモードだけを抽出してフィードバックを行う方式(タイプ2),振動モードを考慮しない従来型のPI補償器をテストスタンドに実装して性能を比較した.この結果,いずれの振動制御方式とも,PI補償器より応答性・対外乱特性に優れていることがわかった.特にタイプ2のコントローラは,次数も低く,実際のアプリケーションにも適していることがわかった. (2) 高速・高加減速加工の基礎的研究 ドリル加工において,穴底での停止時間が長いと,ドリルが被削材をこする時間が長くなり,工具摩耗の増加を引き起こすといわれる.そこで,ドリルが穴底に達した後,高速にドリルを引き戻す動作により穴底での停止時間を短縮することを図った.この高速引き戻しを,直径8.5mmのコーティング超硬ドリルを用いた鋳鉄の穴開けに応用した.リニアモータ応用工作機械と同等の性能を持つハイリードボールねじ応用工作機械(最高送り速度60m/min,最高加速度1.0G)上で切削速度150m/min,送り0.3mm/revの加工条件で実験を行った結果,通常の場合(0.2Gの加速度)に比べて約2倍の工具寿命(加工距離:200m)が得られた.
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