研究分担者 |
中川 平三郎 滋賀県立大学, 工学部, 教授 (50033345)
松原 厚 京都大学, 工学研究科, 助教授 (80243054)
井原 之敏 京都大学, 工学研究科, 助手 (90213199)
木下 虎男 三菱電機(株), 名古屋製造所NCシステム部, 参事
刈田 充二 神鋼電気(株), 開発本部, 次長
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研究概要 |
リニアモータを応用した高速・高加減速マシニングセンタを行程集約型の変種変量生産システムの母機として活用するための基礎的研究を行った.主な研究成果は以下の通り. (1)リニアモータ応用工作機械による高速加工実験を行った.加工材料は自動車のシリンダーブロックやエンジンブロックを想定して,アルミ鋳物(ADC12)と鋳鉄(FC25)とした.ADC12とFC25のフェイスミル加工(工具は,それぞれ焼結ダイヤモンド,焼結CBNを使用)においては,高速切削条件下においても,それぞれ4.6μmRy,2.5μmRyの表面あらさが得られた.また,パスのつなぎ目の段差は問題にならず,Z方向には十分な剛性があることが検証された.コーティング超硬工具を使用したADC12の高速エンドミル加工の結果,表面あらさは15μmRyとなった.これはY軸方向の剛性が低いためで,送り系のサーボ剛性不足によるものであると考えられる. (2)高速・高加減速送り系の利点を生かして,ドリルを穴底到達後に従来の制御方法よりも高速で引き戻すことにより穴底でのこすりによる摩耗の進行を小さくし,工具摩耗の抑制をはかった.コーティング超硬工具を用いた鋳物のドリル加工では,従来の38%の工具寿命の延長が確認できた. (3)送り系サーボ特性向上のための送り駆動機構にサブアクチュエータを配置し,減衰特性を向上できるかの研究を行った.リニアモータをサブアクチュエータとして導入し,ハイパスフィルタと比例ゲインで構成した減衰制御系を実装した結果,主送り駆動系の速度ゲインを80%増加することができた.これにより応答性・サーボ剛性が向上できることを確認した. (4)構造体振動のサーボ系への影響をおさえるために速度サーボ系に振動制御補償器を実装した.安定性に問題を与える振動モードを補償することにより速度サーボ系のハイゲイン化が図れることを示した.
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