研究課題/領域番号 |
10450272
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
黄地 尚義 大阪大学, 工学研究科, 教授 (00089880)
|
研究分担者 |
宮坂 史和 大阪大学, 工学研究科, 助手 (80304012)
平田 好則 大阪大学, 工学研究科, 助教授 (00116089)
|
キーワード | 紫外線放射測温法 / レーザ溶融加工 / アーク溶接 / モニタリング / 数値計算モデル / 熱輸送 / 温度計測 / 最適入熱条件 |
研究概要 |
レーザやアークによる熱加工状態は、その温度場に反映される。加工中の温度場が正確に計測できれば、その温度場から熱加工状態が推定できるはずである。本研究では、このような観点から溶融加工状態を対象に、その温度計測手法の確立をはかるとともに、計測した温度場を用いてレーザ溶融加工プロセスをモニタリングする手法について検討することを目的としている。 平成11年度は、昨年度に引き続き、本研究で提案した紫外線放射測温法の確立を主眼として検討した。具体的には昨年度の研究成果をもとに、ミラー方式の紫外線画像計測装置を試作し、その有効性を確認するとともに、アークによる溶接プールを計測対象として検討を加え、以下のような結果を得た。 (1) 紫外線干渉フィルターを用いる方式に比べ、ミラー方式では、より鮮明な紫外線画像が得られる。このためミラー方式では、フィルター方式に比べ、より高感度・高精度の計測が可能になることを示した。 (2) アークによる溶融プールを対象にリアルタイムでの計測を試み、ここで提案した紫外線放射測温法では、従来から汎用されている赤外線放射測温法に比べ、極めて高精度な計測が可能となることを明らかにした。 (3) ステンレス鋼やニッケルなどを対象としたGTA(Gas Tungsten Arc)による溶融池表面の最高温度は、各材料の融点に比べ、約200〜300K高い値となることを示した。なお、この値は、赤外線で計測された従来のものに比べ、かなり低い。 (4) GTA溶接では、アーク長が大きいほど、また移動速度が大きいほど溶融池表面温度が低下する傾向のあることを示した。
|