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2000 年度 実績報告書

近赤外分光法による溶融ポリマーのオンライン物性センサーシステムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 10450285
研究機関京都大学

研究代表者

谷垣 昌敬  京都大学, 工学研究科, 教授 (30027148)

研究分担者 大嶋 正裕  京都大学, 工学研究科, 助教授 (60185254)
キーワード二酸化炭素 / 近赤外分光法 / 濃度センサー / 押出成形機 / オンライ計測 / プラスチック / 超臨界流体 / 高分子成形加工
研究概要

高分子発泡体の軽量性や絶縁性といった性能は、気泡径や気泡数密度といった発泡体の内部構造によって決定される。樹脂内に溶解しているガスの濃度は、この構造を決定する最も重要な因子となる。したがって、所望の内部構造をもつ発泡体を安定に製造するためには、まず、樹脂内に溶けている発泡剤ガスの濃度を高精度で制御することが必要となる。しかし、現状では、押出機の中の樹脂に溶け込んでいる発泡剤ガスの濃度を測定できるセンサーはなく、インラインでガス濃度を測定することは不可能であった。
本研究では、近赤外分光法を用いて押出機の中の樹脂に溶け込む発泡剤ガスの濃度をインラインで測定できるセンサーの開発を試みてきた。そして、ポリプロピレンの押出発泡成形プロセスにおいて、樹脂内に溶解しているCO_2ガスの濃度をオンラインで測定することに一昨年成功した。しかし、同時に、この近赤外分光法をインラインセンサーとして押出発泡プロセスで実用化するには、いくつかの解決すべき問題が残されていることが明らかとなった。その問題のひとつに、樹脂の流量、圧力、温度の変化に対する測定値のロバスト性、言い換えれば、測定環境条件の変化に対して測定精度がどの程度保証されるかという問題があった。また、ポリプロピレン以外の樹脂への適用可能性に関する問題ものこった。本年度は、近赤外分光法を押出発泡成形での発泡剤(CO_2)濃度のインラインセンサーとして、実用化することを目指し、この問題について検討した。
その結果、ウエーブレット変換等のデータ処理を近赤外スペクトルに施し、操作条件の影響をCO_2濃度のスペクトルと切り分ける技術を開発し、ロバストなセンサー値を得ることに成功した。また、ポリプロピレンのみならず、ポリエチレン、ポリブチルサクシネートについても同様な測定が可能であることが明らかになった。
これにより、より実用に近づいたインラインセンサー技術とできた。(798文字)

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] M.Ohshima: "Polymeric Foaming in the 21^<st> Century"Proceedings of Thai-Japan Polymer Processing Workshop. 36-44 (2001)

  • [文献書誌] M.Ohshima: "Polymeric Foaming of Olefin Polymer in the 21^<st> Century"Proceedings of Int.Sympo.on Future Technology for Polyolefin and Olefin Polymerization Catalysis. OP52 (2001)

  • [文献書誌] T.Nagata,M.Tanigaki,M.Ohshima: "On-line NIR Sensing of CO2 Concentration for Polymer Extrusion Foaming Processes."Polymer Engineering and Science,. 40・8. 1844-1849 (2000)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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