研究課題/領域番号 |
10470042
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
佐伯 武頼 鹿児島大学, 医学部, 教授 (10056070)
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研究分担者 |
安田 いづみ 鹿児島大学, 医学部, 助手 (10305112)
飯島 幹雄 鹿児島大学, 医学部, 助手 (00305111)
小林 圭子 鹿児島大学, 医学部, 助教授 (70108869)
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キーワード | 心肥大 / カルニチン欠乏 / カルニチン膜輸送体 / JVSマウス |
研究概要 |
本研究の目的は、細胞膜カルニチン輸送体蛋白の欠損に起因する原発性カルニチン欠乏症マウス(juvcnile visceral steatosis:JVSマウス)で見い出した、本症の代表的症状である心肥大の発症機構を分子レベルで明らかにすることであり、本年度は以下の成果が得られた。 1) 申請者らがJVSマウスで発見した、カルニチン欠乏で発現変動する3種類の新規遺伝子(CDV-1/-1R,CDV-2=PDK4,CDV-3)の発現調節機構を解析するために、まずCDV-1/-1RおよびCDV-3に対するゲノムDNAのクローニングを行った。得られたBACクローンのmappingとsequencing解析により、CDV-1とCDV-1Rを転写する遺伝子は、マウス5番染色体に座位する1つの遺伝子に由来し、少なくとも19個のエクソンから成ることを明らかにした。またCDV-1Rに対してはイントロンに相当する部分にCDV-1の転写開始点があり、その上流には転写調節領域と考えられる塩基配列が存在していた。CDV-1Rの転写開始点およびその上流領域については現在検討中である。一方、CDV-3の遺伝子クローニングに際して、170個余りのBACクローンがCDV-3cDNAプローブと反応し、遺伝子単離に困難を生じた。しかし、ゲノムDNAのinverse-PCRによりイントロンと考えられる短い断片を調整することができ、それをプローブして得られた8個のクローンはcDNAとも反応するので、遺伝子構造の解析を行っている。今後これらの遺伝子は、発現調節機構の解明とノックアウトならびにトランスジェニックマウスの作成に利用する。 2) これら新規遺伝子産物の機能解明の一環として、本年度は細胞内局在性の検討および相互作用する蛋白質の同定のための準備を行った。CDV-1、-1R、-2、-3の4種類すべてのリコンビナント蛋白を大腸菌発現系で大量に合成し、各々の精製蛋白標品を用いてウサギに免疫した。CDV-2およびCDV-3に対しては力価の高い抗体が得られたが、CDV-1/-1Rについては更に検討を行っている。
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