研究課題/領域番号 |
10470101
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 国立公衆衛生院 |
研究代表者 |
熊江 隆 国立公衆衛生院, 労働衛生学部, 室長 (40145363)
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研究分担者 |
荒川 はつ子 国立公衆衛生院, 労働衛生学部, 主任研究官 (90222736)
内山 巖雄 国立公衆衛生院, 労働衛生学部, 部長 (20151897)
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キーワード | 非特異免疫能 / 活性酸素 / ラット / 肺胞マクロファージ / 化学発光法 / 中高年 / ストレス / 運動負荷 |
研究概要 |
当該年度においては、実験動物を用いて各種のストレスを負荷し、非特異免疫能と生体内の活性酸素バランスに及ぼす影響を検討した。始めに、用いる実験動物における加齢による影響を検討した.実験動物としてWistar系ラットを用い、感染症等の影響を受けないようにSPFバリアー内で90週齢まで通常飼育した。非特異免疫能として、肺胞マクロファージの活性酸素産生能を多検体同時化学発光法とチトクロムc還元法で測定した.得られた結果を第25回日本医学会総会記念日本体力医学会シンポジウムにおいて報告したが、22週齢から45週齢までの中高年と考えられる週齢において非特異免疫能に変化が認められた。次いで、この実験結果に基づき、Wistar系ラットを用い、17週令から29週令に至るまでの12週問の実験を行った。各種の社会環境からのストレスのモデルとして、トレッドミルによる強制運動あるいは回転式運動量測定ケージによる自発的運動を行わせた運動負荷群及び個別飼育による隔離ストレス群を作成した。17週令から23週令までの実験結果については第69回日本衛生学会総会において報告したが、通常飼育した対照群と強制運動及び自発的運動を行わせた両運動負荷群の体重の間に著明な違いが認められ、隔離ストレス群と対照群の体重の間にはほとんど差が認められなかった。さらに、非特異免疫能の指標とした肺胞マクロファージの活性酸素産生能には、これらの群間でほとんど差が認められなかった。現在も23週齢以降の結果について統計処理を行っており、生体内活性酸素バランスの測定としてスーパーオキシドデイスムターゼ活性やビタミンC等の抗酸化物質量の測定、及びチオバルビツール酸反応物の測定を行っている. また、平成11年度以降に行う予定であるヒトを対象とした研究の基礎として、一流の長距離走選手を対象者として食習慣等の調査を行い、得られた成果を体力・栄養・免疫学雑誌に発表した。
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