研究概要 |
双子老人1,300名について郵送アンケートを実施した。質問項目は、既往歴、現在の健康状態、日常生活様式(運動、老人クラブ活動、睡眠障害など)、食品摂取状況、嗜好品(飲酒、喫煙)などである。これら調査結果については解析も終了し、双生児ペア間での異動については特に塩味について、一卵性ペアで類似する傾向があることが判明した。 また血液検査については一般的な血液化学検査のみでなく、DNAテロメア長についても解析が一部(15組)で完了した。大きな成果としては、血清を化学検査に使用した後の凝固した血球成分からでも、ほぼ抗凝固剤を使用した新鮮血と同量のDNAが抽出できる簡便な技術を確立できたことである。この技術により大量検体の分析が可能になった。またこの手法はDNAフィンガープリント法による卵性診断にも応用できることから有力な研究手技を確立することができた。現在までのDNAテロメア長の双生児比較では、一卵性双生児ではペア間で一致する傾向がみられることが判明した。分子生物学的な手法により得られるデータについては生活環境要因やライフスタイル要因との検討を更に進める必要がある。また、老年痴呆に関連する血清アポタンパク(E_2,E_3,E_4)とDNAテロメア長との関連は特に興味深い点であるので次年度において詳細な研究データを蓄積して解明していく予定で準備を進めている。 これら成績については、次年度で更に例数を増加させ、より厳密な結果としてまとめていく予定である。
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