研究概要 |
平成12年度に引き続き郵送調査を実施した。ツインコホート研究であるため追跡調査の年数が長くなるほど、死亡脱落例が着実に増加していた。 また総合的健診調査結果の分析に関しては、本年度は免疫学的指標を中心に検討を実施した。CD抗原のCD4、CD8、CD3,CD16、CD56、CD23をフローサイトメトリー法にて測定した成績である。T細胞系免疫学的指標とNK細胞系免疫指標のリンパ球に占める割合は、双生児ペア間で負の相関係数を示した。肥満指標のBMIの増減はCD4値を変化させる関連因子であることが示唆された。食習慣・飲酒・喫煙といったライフスタイル要因の影響に関しては、塩分、果物、菓子、卵の摂取量の差が免疫能に影響を与えることが示唆された。 生活習慣との関連が強いBMIに関しては、末梢血T細胞数はBMIに逆相関しBMIの高値なものほど減少傾向がみられた。CD値の表す免疫能は、一卵性双生児ペア間で比較すると遺伝因子よりも環境因子の方がより強く関与している結果を示した。 また中高年双生児における各CD値の級内相関係数についてはCD4(男:0.558,女:0.628),CD8(男:0.675,女:0.806),CD4/8比(男:0.678,女:0.848),CD3(男:0.578,女:0.538),CD16(男:0.503,女:0.318),CD56(男:0.319,女:0.562),CD23(男:0.334,女:0.686)であった。全体的に中程度の級内相関係数であり、遺伝因子と環境因子のベクトルが拮抗していることが示された。
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