研究課題/領域番号 |
10470118
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
三澤 章吾 筑波大学, 社会医学系, 教授 (50086534)
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研究分担者 |
本田 克也 大阪大学, 医学部, 助教授 (00240789)
猪俣 伸一 筑波大学, 臨床医学系, 講師 (10282352)
田中 栄之介 筑波大学, 社会医学系, 講師 (30138416)
土屋 輝昌 東京医科歯科大学, 難治疾患研, 助手 (20242109)
小湊 慶彦 富山医科薬科大学, 医学部, 講師 (30205512)
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キーワード | 窒息 / エリスロポエチン / 酸素センサーFixL / 血管内皮細胞増殖因子(VEGF) / ウェスタン・ブロッティング |
研究概要 |
1.窒息死を診断するための客観的な方法を見いだすための実験をこれまでに行ってきた。その目的のために低酸素状態時に誘導される遺伝子を数多く同定してきた。その中種々の予備実験から、血管内皮細胞増殖因子(VEGF)に主として注目してヒト臓器組織について検討した。 2.剖検時に得られたヒト臓器組織(脳、肝、腎、心、肺)(死因が窒息例および乳幼児急死例、失血死例、対照群として内因性急死例など)を試料とし、VEGF値をVEGFイムノアッセイキットを用いてウエスタン・ブロット法にて測定した。なお対照としてHep3B細胞を用いた。 3.臓器中のVEGF値の濃度:各種臓器のうち、肝、腎、肺では死後、VEGF値は死後急激に増大し、約20時間後にピークに達した。その後は臓器差は認められるものの、急激に減少し、36時間後からはほぼ平坦になった。脳では約40時間後にピークに達した後、徐々に減少し、約72時間後からはほぼ平坦になった。 なお、24時間までの死後経過時間と各臓器のVEGF値との関係を調べたところ、肝、腎、肺、脳で正の高い相関性(R^2=0.780〜0.897)を示した。しかし、心については相関しなかった。 4.死因との関係:VEGF値と死因との関係を現在なお検討中であるが、窒息死、失血死など、低酸素あるいは無酸素状態に起因する死亡例ではVEGF値が上昇することが明らかになった。
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