• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1998 年度 実績報告書

泌尿器癌における血管増生因子の体内動態とその生物学的意義

研究課題

研究課題/領域番号 10470330
研究種目

基盤研究(B)

研究機関秋田大学

研究代表者

加藤 哲郎  秋田大学, 医学部, 教授 (40004642)

研究分担者 佐々木 隆聖  秋田大学, 医学部, 助手 (90292375)
赤尾 利弥  秋田大学, 医学部, 助手 (40301064)
土谷 順彦  秋田大学, 医学部, 助手 (70282176)
佐藤 滋  秋田大学, 医学部, 講師 (80187195)
小川 修  京都大学, 医学部, 教授 (90260611)
キーワード腎細胞癌 / VEGF / VEGF受容体 / 遺伝子発現 / 定量的PCR
研究概要

本研究は代表的泌尿器癌である腎癌における血管新生因子の体内動態を分析し、これと臨床病理学的諸因子との照合から、担癌生体における血管新生能の生物学的臨床的意義を検討することを目的とした。本年度は腎癌におけるVEGFとその受容体発現を定量し、その臨床的意義を検討した。VEGFは腫瘍血管新生に深く関与していると考えられている血管増殖因子の一つであり、我々は腎癌におけるVEGF遺伝子の過剰発現を報告してきた。最近、VEGF関連遺伝子としてVEGF-B、-C、-D、-Eが相次いでクローニングされ、これらの受容体であるVEGFR-1、-2は血管内皮細胞に、またVEGFR-3はリンパ管に特異的に存在し、それぞれ血管新生とリンパ管新生に関与しているとされている。本研究では腎癌におけるVEGF、VEGF-Bと-Cならびにその受容体であるVEGFR-1、2の発現を定量的PCRを用いて検討した。腎癌患者23例の手術標本から得られた腫瘍および正常組織からtotalRNAを抽出後ランダムプライマーを用いてcDNAを作成し、heterologous DNA competitorを用いて定量的PCRを行った。その結果、VEGFとVEGFR-1、-2の遺伝子発現量は腎癌で有意に上昇しており、これらのリガンド、受容体間には正の相関が認められた。しかし、VEGF-B、-Cの発現量は正常腎と腫瘍の間で有意差はなく、受容体の発現量との相関も認められなかった。またいずれのVEGF関連遺伝子、受容体とも臨床病理学的背景との相関は認められなかった。以上の結果から、腎癌組織においてVEGFとVEGFR-1、-2は協調的に血管新生に関与しているものと考えられた。いっぽう、VEGF-B、-Cは腎癌の腫瘍血管新生に積極的には関与していないものと考えられた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Sato K, et al.: "Expression of vascular endothelial growth factor gene and its receptor (flt-1) gene in urinary bladder cancer." Tohoku J Exp Med. 185(3). 173-184 (1998)

  • [文献書誌] 小倉泰伸、他: "表在性膀胱癌における血管新生因子の発現と腫瘍血管密度に関する免疫組織学的検討" 日本泌尿器科学会雑誌. 80(5). 529-537 (1998)

URL: 

公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi