研究課題/領域番号 |
10480033
|
研究機関 | 北海道教育大学 |
研究代表者 |
三橋 功一 北海道教育大学, 教育学部・函館校, 助教授 (40166062)
|
研究分担者 |
山口 好和 北海道教育大学, 教育学部・函館校, 助教授 (30271018)
山崎 正吉 北海道教育大学, 教育学部・函館校, 助教授 (80107242)
中村 紘司 北海道教育大学, 教育学部・函館校, 教授 (40007563)
|
キーワード | 授業設計の手がかり因子 / 因子分析 / 授業観 / 教授方略 / 授業の構造図 |
研究概要 |
教師・実習生の授業設計をすすめる手がかりを調査した結果、教科書の指導書、授業の構成等13の因子が抽出されて、解釈された。このデータをもとに、さらに次のことについて分析・検討を行った。 1)教育実習校の教師(集団)とそこで教育実習を行った実習生(集団)の授業設計を進めるための手がかりの特徴について分析・検討し、次の知見を得た。 ・教師は教育実習生よりも多くの手がかりにより授業設計を進めている。 ・小学校と中学校の教師、小学校と中学校の教育実習生を比較した結果、授業設計を進めるための手がかりについて、各グループに固有の傾向がある。 ・教師、教育実習生についても小・中学校間で比較した結果、学校階梯内で共通する特徴がある。 ・日常の教師の教育実践の教材研究・授業設計の特徴が、その学校の教材研究と授業設計として反映し、そこで学ぶ実習生に影響を与えている。 2)授業設計を進めるときの手がかりについて、経験年数により「新・初任、5年、中堅、熟達・ベテラン」の4段階に分類し、その特徴を分析・検討し、次の知見を得た。 ・この4段階の教職経験による有意差のあるものとして、授業の構成、反応・応答、働きかけ、板書、同僚の授業、レディネス、等の8つの因子が抽出される。 ・この8つの因子の経験年数によって手がかりとする因子得点の変化は、a)単調増加型、b)増加後一定型、c)増加後減少型、d)単調減少型、e)減少後増加型の5つに分類できる。 さらに、記述された授業記録から教師の指導観・授業観を抽出するために、授業記録の資料化の方法を検討し、学習展開過程の構造を視覚化した「授業の構造図」と教授方略を視覚化した「教授意図・方略の構造図」の作成方法を開発し、学生(教育学部)に試用した。その結果、授業記録から授業の分析、特徴の抽出の活動に、開発した方法が教育実践の初心者である学生にも有効であることが認められた。
|