研究課題/領域番号 |
10480143
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
久野 勝治 東京農工大学, 農学部, 教授 (70092484)
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研究分担者 |
佐藤 敬一 東京農工大学, 農学部, 助教授 (90178723)
塩谷 哲夫 東京農工大学, 大学院・農学研究科, 教授 (60226107)
佐渡 篤 東京農工大学, 農学部, 教授 (40014956)
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キーワード | ゼロエミッション / コンポスト化 / 間伐採 / わりばし / パーティクルボード / ディスポーザー / 活性炭 / 森林環境教育 |
研究概要 |
本研究では、大学食堂をとりまく環境問題と物質の流れについて経済的にも検討し、割箸の利用と食後の食器のふき取りによる、排水のCOD(化学的酸素要求量)等の汚染の削減、拭き取り後の紙と残飯を利用したコンポスト化、使用後の割箸の利用法など、大学食堂のゼロエミッション化について検討することを目的とし、平成11年度には以下の桔果を得た。 食堂から排出される生ゴミと食器汚れの拭き取り後の紙の再資源化を検討するために、食堂から出た生ゴミを加熱脱水装置ディスポーザーで脱水および炭化処理をおこない、さらに、賦活処理を行い活性炭としての性能を調べた。賦活温度が高温になるとともに活性炭性能は向上するが、活性炭収率は減少する。ヨウ素吸着量と比表面積を灰分で除いた有機炭素分のみについて計算上求めると、市販の活性炭には及ばないものの高い性能であった。したがって、脱灰分処理を行うことにより、活性炭の製造が可能となることがわかった。 東京農工大学と早稲田大学の食堂において割箸利用の実験を行った。また、その他数十の大学では弁当の箸としてスギ間伐材割箸利用の試行を行った。使用後の割箸はパーティクルボード工場へ宅急便で送り、原料として再利用するシステムを本格的に起動した.ただし、輸送コストの負担が大きいので、今後検討が必要である。 森林質源利用を環境教育として啓蒙することを検討した。地球温暖化防止のために一人一人が大量消費型から資源循環型のライフスタイルに変革してゆかなければならない。森林、とくに、人工林は唯一の二酸化炭素吸収源であり、また、人工林を適正に維持するためには間伐などの適正な管理が必要であり、また、木材を材料として利用やリサイクルで炭素の固定を維持し、さらに、バイオマス発電など化石質源の使用を減らすことが重要である。そこで、森林の機能と木材利用の理解のための啓蒙の手段として、森林の場での環境教育すなわち『森林環境教育』の設立を推進し、また、その温暖化防止対策として期待できることがわかった。
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