研究課題
基盤研究(B)
M3級の震源断層から数mの地点で、断層面の法線歪とスリップ方向の剪断歪をモニターするために、ボアホール歪計と24bit25Hz連続収録装置が、昨年度設置された。15kHzサンプリング、ダイナミックレンジ132dbで収録される加速度地震波形と合わせ、地震の準備・発生全過程を、振り切れることなく高時間分解能で収録する準備が昨年度完成した。今年度、坑内火災や比較的大きい山はね(坑内地震)の被害の復旧に時間を要した。このため、データ収録の開始は今年度の9月まで待たねばならなかったが、データ収録開始後、データ整理・解析ソフト(XMTS)を用いて予備的な解析を行うことができた。その結果、理論的に推定されるものとほぼ等しい地球潮汐が歪計で観測されていることが明らかなり、我々の設計通り、10のマイナス9乗という微小な歪変化でも捉えられることがわかった。採掘再開後、採掘に伴って震源断層に応力が蓄積し、ピーク強度を迎えた後、初期破壊核を形成し、滑り弱化を伴って高速破壊に至った後、余効変動や、強度の回復過程など、地震発生全過程が明らかになると期待される。
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