研究課題/領域番号 |
10555287
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
山根 恒夫 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 教授 (70026102)
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研究分担者 |
関口 哲 日本製粉(株), 中央研究所, 主任研究員
津久井 貞至 (株)トミー精工, 開発本部, 主任研究員
中野 秀雄 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 助教授 (00237348)
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キーワード | 無細胞蛋白質合成 / 遺伝子の転写 / 遺伝子の翻訳 / バイオリアクター / ATP / たん白質の安定化 / 大腸菌S30画分 / 小麦胚芽抽出液 |
研究概要 |
平成12年度の交付申請書に記載した研究実施計画に従い研究を実施して、以下のような成果を得た。 1.名古屋大学分担分 蛋白質の吸着されにくい中空糸膜を市販品の中から検索したが、中空糸の太さやモジュールのサイズから判断して本研究の目的に適したものは見つけることができなかった。一方、大腸菌A19株から出発して、3種類、lon,ompT,degPそれぞれのプロテアーゼ欠損株、およびlonとdegP2重欠損株、ompTとlon2重欠損株、それぞれをP1ファージを介する形質導入法で分離した。これらの変異株由来のS30抽出液を用いて無細胞転写・翻訳反応を実施し、単鎖抗体(scFv)および放線菌由来のホスホリパーゼD(PLD)の生成を試み、合成された蛋白質の分解の様相をSDS-PAGE上で経時的に調べた。その結果、scFvの分解はompTとlon欠損株では有効であったが、degP欠損株では効果がなかった。一方、PLDの分解はdegPとompT欠損株では効果があったが、lon欠損株では効果がなかった。これらの結果から、合成する蛋白質によって有効なプロテアーゼ欠損株の種類が異なり、一般化しにくいという結論を得た。 2.(株)トミー精工分担分 市販のカード式透析膜を参考にして、簡単なカード式の分子拡散型バイオリアクターを開発した。 3.日本製粉(株)分担分 ガラスビーズを高速で振動する方式の細胞破砕器を理化学機器メーカーに製作依頼し、大腸菌S30抽出液の大量調製法を確立した。この方法によれば、4l培養して、約25mlの抽出液が得られることがわかった。
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