研究分担者 |
坂井 詠子 長崎大学, 歯学部, 教務職員 (10176612)
松田 尚樹 長崎大学, アイソトープ総合センター, 助教授
粟屋 昭 三井薬品工業, 製品計画部, 主席部員
加藤 有三 長崎大学, 歯学部, 教授 (20014128)
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研究概要 |
我々は,4-methoxy-2-naphthylamide(MNA)をカップルさせたペプチド性基質を5-nitro-salicyladehyde(NSA)存在下で用いることにより,生きた破骨細胞のリソソーム性システインプロテアーゼ活性を可視化する方法を開発した(Kamiya et al.J.Biochem 123,752(1998)).この方法は,プロテアーゼにより基質から遊離したMNAがNSAとシッフ塩基を形成し,蛍光を発する不溶性の沈殿物を生じることを利用したものである.本年度は,カスパーゼ-3と-8に比較的特異性の高い蛍光基質の構造をもとに,それぞれZ-Asp(OME)-Glu(OME)-Val-Asp(OME)-MINAとZ-lle-Glu(OME)-Thr-Asp(OME)-MNAという2つのMNA基質を合成した.この基質を用いて,細胞組織学的にカスパーゼ活性の検出が可能か否か検討を行う予定にしている.一方,破骨細胞におけるアポトーシスとカスパーゼ活性に関する研究も進めた。マウスの骨髄細胞と,頭蓋骨由来の骨芽細胞様間質細胞の共存培養を行って形成させた破骨細胞に,一酸化窒素(NO)発生剤であるNOC-18(400μM)を加えると,アポトーシスを誘導できる.Z-Asp-Glu-Val-Asp-MCAを用いて破骨細胞抽出液中のカスパーゼ活性を測定したところ,アポトーシス誘導8時間後に活性の上昇が確認できた.さらに,NOC-18によって誘導される破骨細胞のアポトーシスは,カルシトニンやカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP),あるいは破骨細胞分化因子(ODF/RANKL)によって顕著に抑制することができた(金岡ら,1999 in press).
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