研究課題/領域番号 |
10557166
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
坂井 英昭 長崎大学, 歯学部, 助教授 (40225769)
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研究分担者 |
松田 尚樹 長崎大学, アソソトープ総合センター, 助教授 (00304973)
粟屋 昭 三井製薬工業, 製品計画部, 主席部員
加藤 有三 長崎大学, 歯学部, 教授 (20014128)
坂井 詠子 長崎大学, 歯学部, 教務職員 (10176612)
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キーワード | アポトーシス / カスパーゼ / MNA |
研究概要 |
カスパーゼ-3に比較的特異性の高い切断モチーフの構造をもとに作成した4-methoxy-2-naphthylamide(MNA)基質Z-Asp(OME)-Glu(OME)-Val-Asp(OME)-MNA(DEVD-MNA)は、MNAの直前でカスパーゼにより切断される。遊離したMNAは励起波長340nmで蛍光を発する(425nm)。マウスの骨髄細胞と頭蓋骨由来の骨芽細胞用細胞の共存培養によって形成させた破骨細胞に、一酸化窒素(NO)発生剤であるNOC18を作用させてアポトーシスを誘導し、経時的にDEVD基質の水解活性を検討した。その結果、DEVD基質水解活性はNOC18を作用させた8時間後に最も高いピークを示し、以後減少するという一過的な活性上昇を示した。遊離MNAは弱酸性条件下で、5-nitro-salicyladehyde(NSA)とジアゾカップリングをおこし、不溶性の蛍光物質を産生する。UV励起でこの蛍光物質は黄色い強い傾向を発する。破骨細胞にNOC18を作用させ、8時間後の細胞に、NSA存在下(pH6.0)でDEVD-MNAを作用させると、黄色蛍光を発する細かい針状結晶が細胞内に形成された。結晶の形成はカスパーゼの阻害剤であるDEVD-fenylmethylketone(FMK)でほぼ完全に抑制された。即ち、NOCによって破骨細胞に引き起こされるアポトーシスに伴うカスパーゼ活性の可視化が可能となった。このとき、破骨細胞の細胞形態は正常であるが、さらに8時間たつと(計16時間経過後)破骨細胞内の細胞核は凝縮し、典型的なアポトーシス像を呈した。すなわち、可視化されるカスパーゼ活性は、典型的なアポトーシス像への細胞内変化に先行することが明らかとなった。
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