研究課題/領域番号 |
10559007
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
中村 正孝 東京医科歯科大学, 疾患遺伝子実験センター, 教授 (30180392)
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研究分担者 |
伊藤 守 実験動物中央研究所, 免疫研究室, 主任研究員 (00176364)
小柳 義夫 東京医科歯科大学, 医学部, 助教授 (80215417)
田中 勇悦 北里大学, 理学部, 助教授 (30163588)
広川 勝〓 東京医科歯科大学, 医学系研究科, 教授 (00014093)
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キーワード | 免疫不全 / 疾患モデル / コモンγ鎖 / RAG1・RAG2 / ノックアウトマウス / NK細胞 |
研究概要 |
ヒトにおける疾患の研究で、自然発生や人工改変の変異マウスが動物モデルとして多く用いられている。我々はインタロイキン2(IL-2)の受容体の第3の構成成分であるγ鎖のクローニングと、ジーンターゲッティング法によりγ鎖欠損マウスの樹立に成功した。γ鎖遺伝子欠損マウスとRAG2遺伝子欠損マウスをかけ合わせることによって、リンパ球(T細胞・B細胞・NK細胞)を完全に欠失するマウスの作出し、その性質を調べた。 γ鎖遺伝子がへテロ接合体の雌(+/-)と正常なC57BL/6の雄との交配を世代数9代までを重ねた。これによりγ鎖欠損マウスの遺伝的背景はB57BL/6になったと考えられる。一方、Balb/cへのバッククロスは6代まで交配を重ねている。γ鎖欠損マウス(雌、+/-)とRAG2欠損マウス(雄、-/-)の交配により得られた子の雌(γ鎖+/-、RAG2+/-)と雄(γ鎖-γ、AG2+/-)の交配で、γ鎖、RAG2とも欠損した個体(-/Y、-/-)をメンデル遺伝の比で得ることができた。γ鎖・RAG2欠損の個体は見かけの生育は野生型と変わりなく、正常な生殖能力を持つ。このマウスの脾臓と胸腺の細胞をフローサイトメーターで調べたところ、T細胞、B細胞、NK細胞も検出感度以下であった。また脾臓でのNK活性も認められなかった。このリンパ球欠損マウスはC57BL/6の遺伝的背景である。このマウスにヒトの末梢血球細胞(1x10^7細胞/個体)を導入したところ約60%に生着がみられた。今までに自然変異マウスの中にT細胞、B細胞を持たないSCIDマウスはあったが、これらはいずれもNK細胞を持ち、ヒト血球細胞の生着率は低いものであった。血球細胞以外のヒト細胞の導入も試みている。
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