研究課題/領域番号 |
10610029
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研究機関 | 国学院大学 |
研究代表者 |
井上 順孝 國學院大学, 日本文化研究所, 教授 (80011386)
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研究分担者 |
津城 寛文 静岡県立大学, 国際関係学部, 助教授 (30212054)
佐々木 裕子 白百合女子大学, 文学部, 専任講師 (60286888)
岩井 洋 関西国際大学短期大学部, 助教授 (30269956)
市川 誠 立教大学, 文学部, 助教授 (60308088)
磯岡 哲也 淑徳大学, 社会学部, 助教授 (90201920)
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キーワード | 宗教教育 / 情操教育 / 宗教意識 / 宗教系学校 |
研究概要 |
1. 学生の意識調査の結果: 全国の大学・専門学校のうち、43校をサンプルとして、6,248名の学生の意識調査を実施した。調査は4月から6月にかけて行なわれ、9月にその結果を小冊子として刊行した。これに基づくと、学生のうち信仰をもっているものは、全体の7.3%であるが、非宗教系の学校に限ると、5.2%である。また、信仰はもっていないが、宗教に関心があるものは、全体で28.5%、非宗教系では26.2%である。学生の間では、宗教への関心は比較的薄いが、宗教系の学校ではいくらか値が高くなっている。その他、宗教への関心は薄いが、超常現象や神秘的現象、さらにオカルトと呼ばれるような現象への関心は、全体でも、また宗教系学校でも、宗教への関心よりかなり高いことが明らかになった。 2. 宗教系学校の調査の結果: 現在日本において、宗教系学校は小学校から大学まで合わせて9百以上あることが分かった。中高の場合、通常「宗教」の授業を週に1日行なうのが普通である。授業は、宗教家(僧侶、牧師、神父など)が行なう場合がある。その他、宗教行事を通した情操教育を行なう学校も多い。このうち、数校を調査した結果では、教師、生徒とも、宗教教育について多様な評価をしていることが分かった。 3. 外国における宗教教育との比較: ヨーロッパ及びアジアの宗教教育についての研究者との意見交換を行なった結果、日本の場合、宗教教育に対する社会的サポートが外国に比べてかなり弱いということが分かった。これは現在の「宗教」イメージが極端に悪いことと関係していると推定される。
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