研究概要 |
私は平成12年度の研究実施計画に記した計画に基づいて研究を進めてきた。そして、既に公刊された論文には「曖昧性、不明確性と意味解釈」岐阜大学教育学部研究報告(人文科学)48巻2号(2000.3)pp.39-63.と「統語的曖昧性と音律情報」岐阜大学教育学部研究報告(人文科学)49巻1号(2000.10)pp.117-128.の2編があり、さらに、現在投稿中の論文には「曖昧性,不確定性と発語内の力」岐阜大学教育学部研究報告(人文科学)49巻2号がある。私が発掘して、これらの論文の中で紹介した先行研究は豊富なデータと深い思索に裏打ちされたものであるので、英語の本質の解明に役立つばかりでなく高い資料的価値をも持つものである。私は現在、曖昧性に関する研究の次のテーマとして、「曖昧性と発語内の力の類似点と相違点」、「発語内の力の種類と数の問題」や「意味論的曖昧性と語用論的曖昧性と不明確性の本質的な相違」などを考えている。これらの問題についての研究が進めば「曖昧性とは何か」についての理解が一層深まるばかりでなく、英語(のみならず自然言語全般)の本質が少しずつ見えてくるはずである。私の研究が現在、大変順調に進んでいるのは科学研究費補助金の交付を受けたために他大学へ資料収集に出かけることができ、パソコンも購入し資料整理のスピードアップがなされたためである。私の曖昧性に関する研究は、研究が進むにつれて対象とすべき領域が広がり考察も最初の予測以上に深くなってきている。曖昧性の本格的な研究者は数少ないが曖昧性が意味論や語用論の研究の最も重要なテーマの1つであることは多くの言語学者の一致した見解である。私は今後も曖昧性と関連事項に関する研究を続けていって、言語の本質を解明し学界のみならず、世の中に貢献したいと思っている。
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