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1999 年度 実績報告書

古代ロシア文語の萌芽期における特性の研究ー「アルハンゲリスク福音書」を中心として

研究課題

研究課題/領域番号 10610510
研究機関明治大学

研究代表者

岩井 憲幸  明治大学, 文学部, 教授 (60193710)

研究分担者 服部 文昭  京都大学, 総合人間学部, 助教授 (80228494)
キーワードアルハンゲリスク福音書 / 古代ロシア文語 / 古代教会スラブ語 / オストロミール福音書 / Synaxarion / rusizm
研究概要

本年度は「アルハンゲリスク福音書」のテクストをパソコンに打ち込んだ。テクストの活字化と索引作成の準備の為である。しかし全体の一応の打ち込みが終わったのみで校正は未了。その結果2つの問題が明らかになった。1.パソコンソフトによる打ち込みテクストの物理的限定。2.カレンダー部分未解読部分の統一的処理。1は言いかえれば写本そのものの様に活字化することは不可能であることにほかならず、一定の譲歩を常に要求されることであり、標準化テクストの作成をいかに行なうかとの問題となる。2は何よりもまず未解読部分の解読を求めるものであるが、さらにこの部分の規則性を発見し、欠損部分を統一的に処理することが要求される。1はより細かなソフトを対応させるのが対策だが、この際処理能力の上限から生じる限定を全体とどのように調和させるかが肝要であり、考慮中。2につきテクスト前半を本来のSynaxarionとして読み再調査した。これにより、(1)tit10を2度使うこと多い、(2)数字を示す際の前後の2点は1点であること、(3)略字は了解度の高い方を選ぶ、(3)rusizmは、rocblの文字はあるが*の音価消失し、イオタ化の2文字存在せず。jersは正しく、子音間の流音+jerはロシア的。*をεと綴ることあり。動詞3人称語尾は-Tb。名詞単数造格は-*Mb/-bMb。Oyの文字をy/rと綴る例あり。ただし第2のcopyistのみ。以上概して本文と同じくロシア的だが、「オストロミール福音書」と異なりロシア的色彩とocs的色彩の濃度の差は小さい。これらの特徴点を把握したのでテクスト処理に活用したい。又詩篇の引用はシナイ詩篇によく一致すること、ペンテコステ後第17週のpericopeは初めから欠けていた可能性があること、後半のMenologion部分よりもSynaxarion部分が分量的に多いため、第1のcopyistと第2のcopyistは写本作成時においてそれらの区別によらず、単純に分量を半分ずつ担当したのではないか、等々が判明した。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 岩井憲幸,石川幹人: "「研究ノート」古代スラブ文字データベースの作成"明治大学情報科学センター年報. 11. 45-51 (1999)

  • [文献書誌] 岩井憲幸: "『アルハンゲリスク福音書』1092年のSynaxarion部分について"文芸研究. 83. 45-70 (2000)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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