現代日本政治の研究の中で、もっとも未開拓の分野が「政党研究」である。本研究は、政治変動期における政党-社会関係の変容を解明することにある。連立政権の成立や中央政界における政党の離合集散がどの程度、有権者と政党の関係に影響しているのだろうか。本年度は、政党-社会関係の変容を、実証的、且つ、比較政治学的に分析した。 政治変動期の政党-社会関係の変容を正確に分析するためには、さまざまな時点における有権者の意識の変化を測定する必要がある。幸い、蒲島は、特別推進研究「投票行動の全国的・時系列的調査研究」の代表として、1993年から96年にかけて、同一対象者に何度も調査をおこなうパネル調査を7回行った。これらは、政治変動期における政党-社会関係を分析するには理想的なデータである。本年度はそれらのデータを主に用いて分析し、裏面のような結果を得た。
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