研究課題/領域番号 |
10620078
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研究機関 | 国際基督教大学 |
研究代表者 |
千葉 眞 国際基督教大学, 教養学部, 教授 (10171943)
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研究分担者 |
斎藤 純一 横浜国立大学, 経済学部, 教授 (60205648)
川崎 修 立教大学, 法学部, 教授 (80143353)
松本 礼二 早稲田大学, 教育学部, 教授 (30013022)
杉田 敦 法政大学, 法学部, 教授 (30154470)
飯田 文雄 神戸大学, 法学部, 教授 (70184356)
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キーワード | グローバル化 / 新しい社会運動 / 新しい政治 / 市民社会 / 市民的公共性 / 社会資本 / デモクラシー |
研究概要 |
第三年度(最終年度)にあたる平成12年度は、まず8月初旬にカナダのケベックで開催された国際政治学会(IPSA)において、東洋と西洋の市民社会論とグローバル化のテーマでパネルを開くことができ、日本側からは研究分担者の杉田と飯田がペーパーを発表し、松本がコメンテーターをつとめた。さらに平成13年1月にはヨーロッパから5名の研究者が来日し8日間ほど滞在し、国際基督教大学、立命館大学、東京大学、箱根において、日本人研究者も数多く参加し、4度にわたり国際シンポジウムを開いた。これらの成果の一部は近く雑誌『思想』やその他の刊行物において出版される予定である。本研究の最終的成果は、数年後に英文と邦文の両言語においてそれぞれ単行本として出版される予定である。 とくにこの最終年度において、丸山眞男への関心が、共同研究の一つの焦点となったように思われる。丸山眞男はたしかに、1950年代および60年代の日本において展開をみた市民社会論者ではなかった。しかし丸山は、市民の政治的成熟を自分自身の政治学の課題とした形跡がある。さらに彼は、60年代には「市民の日常生活における術(アート)としての政治」について語り、自我の問題を基軸としつつ、自分の身の周りの「小政治」から「大政治」への参与を模索したことも事実である。そのような意味で丸山眞男は戦後日本における市民の政治の探求者という一面をもっている。本報告書における論考のいくつかにおいて丸山眞男への言及が直接間接になされているのも、こうした事情を背景としている。
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