研究課題/領域番号 |
10640044
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
対馬 龍司 明治大学, 理工学部, 助教授 (20118764)
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研究分担者 |
中村 幸男 明治大学, 理工学部, 講師 (00308066)
佐藤 篤之 明治大学, 理工学部, 助教授 (70178705)
後藤 四郎 明治大学, 理工学部, 教授 (50060091)
稲富 彬 明治大学, 理工学部, 教授 (20061872)
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キーワード | ジーゲル保型形式 / ヤコビ形式 / 代数幾何学 |
研究概要 |
整数論及び保型関数論に於いて大変重要な対象であるヤコビ形式を研究した。特に2次のジーゲル・モジュラー群に関する、ヤコビ形式の空間の次元を計算した。g次のヤコビ形式とは、g次のジーゲル上半平面と、g次元の複素ベクトル空間の直積の上の正則な関数で、ある種の保型性を満たすものである。この保型性とは、ジーゲル上半平面の変数に関しては、ジーゲル保型形式の様な振る舞いをして、g次元の複素ベクトル空間の変数に関しては、テータ関数の様な振る舞いをすることである。 テータ関数の基底は知られているので、ヤコビ形式はその基底の線形結合で表される。その係数はジーゲル上半平面上の正則関数であってそれらを作ると、このベクトルはある保型因子に関する、ベクトル値保型形式になることが分かる。従ってヤコビ形式に対して、ジーゲル上半平面のジーゲル・モジュラー群のレベル付き部分群に関する、商空間上の正則ベクトル束の正則切断が対応する。この商空間は境界を付加して非特異な多様体にコンパクト化することが可能である。更に先の正則ベクトル束をこのコンパクト化の上に延長することが可能である。ヤコビ形式に対応する正則切断は、この延長したベクトル束の正則切断にもなっている。このコンパクト化及び正則切断には、ジーゲル・モジュラー群が作用する。先の延長したベクトル束の構造を研究して、この作用の跡を正則レフシェッツ固定点定理及び、小平・中野によるコホモロジー群の消滅定理を使って計算して我々の結果が得られる。
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