研究分担者 |
沼田 稔 岩手大学, 教育学部, 教授 (50028255)
中嶋 文雄 岩手大学, 教育学部, 教授 (20004484)
小嶋 久祉 岩手大学, 教育学部, 教授 (90146118)
宮井 秋男 岩手大学, 教育学部, 助手 (70003960)
川田 浩一 岩手大学, 教育学部, 助教授 (70271830)
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研究概要 |
余次元1葉層に対して,平均曲率関数の特徴づけを以前に与えたが,一般の余次元に対して類似の問題を考える場合,余次元1の場合のように,自然なベクトル場は定義できない.また,適当なベクトル場の存在を仮定して議論を行うことは可能ではあろうが,そのようなベクトル場の存在自体が既に別種の問題を抱え込んでしまう.更に,ベクトル場が葉層に接する所では,意外と複雑な状況となるため,余次元1で考察したような平均曲率関数の概念をベクトル場を用いて関数の形にして一般の余次元の葉層に対して導入するのでは,あまりうまくいきそうにない.そこで、一般の余次元の場合には,平均曲率ベクトルの双対1-形式を,平均曲率関数に代わるものとして導入してみた. 手始めに,余次元1の場合にどのように形式化されうるかについて考察し,一応,満足すべき結果を得た.更に,一般化を考えるに当たり,まず手始めとして,最も単純な束葉層の場合は,次のような結果になる;π:E→Mを束の射影とし,葉層はF={π^<-1>(x),x∈M}とする.M上の1-形式ωに対して,適当なE上のリーマン計量gでπ*ωがFの平均曲率ベクトルの双対1-形式になるための必要十分条件は,ωがdfの形になることである.ここで,関数f(x)は本質的には(π^<-1>(x),g)の体積に等しい.一般のリーマン葉層に対しても,ベーシックな1-形式に対しては類似のことが成り立ちそうであるが,この点については次年度(最終年度)の大きな課題の一つと考えている. また,現在までに得られている曲率と極小葉層や定平均曲率葉層等に関する結果を,基本的な公式を整理して,それから大抵の結果が得られることを岩手大学教育学部紀要に掲載された論文にまとめた.この中に含まれているいくつかの新しい結果については,現在もう少し発展させた形で準備中である.
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