研究課題/領域番号 |
10640093
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
服部 晶夫 明治大学, 理工学部, 教授 (80011469)
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研究分担者 |
枡田 幹也 大阪市立大学, 理学部, 教授 (00143371)
阿原 一志 明治大学, 理工学部, 講師 (80247147)
藤田 宏 明治大学, 理工学部, 教授 (80011427)
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キーワード | トーリック多様体 / 概複素多様体 / 特性類 / 種数 / 扇 / ベクトル束 |
研究概要 |
交付申請書にも書いたように、本年度は概複素トーリック多様体の多重扇の構造と指数の関係に焦点を絞って研究を行った。得られた主要結果は次の通りである。 1. 概複素トーリック多様体のT_y種数の公式を得た。特にT_y種数は純粋に多重扇の情報のみを用いて書けることが判明した。この公式は更にユニタリトーリック多様体やSpin^cトーリック多様体に拡張される。 2. 概複素トーリック多様体上の複素線束のRiemann-Roch指数に関する多重度公式を純粋に多重扇の言葉を用いて組み合わせ論的に記述することに成功した。このことは多重扇に関する理論が概複素トーリック多様体と独立に組み立てられることを示唆する。例えば、Duitstermaat-Heckman測度が多重扇に対して定義されると思われる。 3. 概複素トーリック多様体の安定接束の分解定理を得た。これは底空間が凸多面体である場合のDavis-Januszkieの分解定理を拡張したものである。そこに現れる実ベクトル束はDavis-Januszkieの場合には現れなかったものであり、概複素トーリック多様体のコホモロジーの構造や特性類に関して重要な役割を果たすものと考えられ、今後の研究対象の一つである。
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