研究概要 |
Cohen modelでの無限組合せ論の研究では,神戸大学自然科学研究科のJ.Brendleとハンガリー科学アカデミー(現在JSPS Fellowとして北見工業大学に滞在)L.Soukupとのディスカッションから幾つかの新しい結果が得られたが,このテーマに関するpreprint[1]にこれらの結果をさらに加えたものを三人の共著として準備中である. Weak Freese-Nation propertyに関しては,P(ω)がweak Freese-Nation propertyを持つ,という仮定を組み合せ論的原理として見るというアプローチにより,Cohen modelでの様々な現象がこの仮定から帰結できることが示せた.特にCichon's diagramでのcardinal invariantsの値はすべてこの原理からCohen modelでと同じように決定されることの証明が得られた.これらの結果はL.Soukupとベルリン自由大学のS.Geschkeとの共著論文[3]にまとめられている. またL.Soukupとの共著の[2]でopen problemsとして述べたいくつかの問題に対する解が得られたが,これについては,準備中の[4]で発表される予定である. また,渕野昌はA.Kanamori著の[5]を訳出した.このモノグラフに関連した巨大基数の集合論での問題について研究分担者の阿部吉弘らとディスカッションを何回か行っている.この研究ではまだ具体的な結果が得られるには至っていないが,今後の進展が期待される. 参考文献 [1] Sakae Fuchino,Coloring ordinals by reals,preprint. [2] Sakae Fuchino and Lajos Soukup,More set-theory around the weak Freese-Nation property,Fundamenta Matematicae 154(1997)159-176 [3] Sakae Fuchino,Stefan Geschke and Lajos Soukup,On weak Freese-Nation property of P(ω),preprint. [4] Sakae Fuchino,Stefan Geschke and Lajos Soukup,On weak Freese-Nation property of complete Boolean algebras,in preparation. [5] A.Kanamori,The Higher Infinite,Springer-Verlag(1994),渕野昌訳: 「巨大基数の集合論」,シュプリンガー・フェアラーク東京(株)(1998),I-VI,1-554.
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