研究分担者 |
阿部 吉弘 神奈川大学, 工学部, 助教授 (10159452)
嘉田 勝 北見工業大学, 工学部, 教授 (00312447)
三波 篤郎 北見工業大学, 工学部, 教授 (30154157)
高橋 真 神戸大学, 人間発達学部, 助教授 (50154860)
BRENDLE Jorg 神戸大学, 自然科学研究科, 助教授 (70301851)
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研究概要 |
本研究の主要な成果は,weak Freese-Nation property(以下WFNと略)を持つ半順序集合の理論を確立することができたことである.WFNの研究は,1996年のFuchino,Koppelberg,Shelahによる論文で始められたが,この概念が集合論的に非常に興味深い性質であることが,続くFuchino,Soukupの1997年の仕事により明らかになった.本研究ではFuchino-Soukupで未解決問題として残されていた問題のすべてと,研究を進めてゆく過程で生じた自然な問題の多くについて解決を与えることに成功した.ここで得られた独立命題のうちいくつかは巨大基数の仮定のもとで証明されているが,これらの命題の正確なequiconsistencyを決定するという問題は残された課題であろう.ただしこれらの結果はinner model theoryの確立していないような巨大な巨大基数のconsistency strengthを出発点としているため,equiconsistencyの決定は現時点では不可能に近い問題であるように思える. 本研究を通じて明らかになったことの一つは,(P(ω),⊆)がWFNを持っという命題が,Cohen modelで成り立つ無限組合せ論的性質の多くを導くものとなっている,ということであった.一方,ごく最近,lstvan JuhaszとKenneth Kunenは,やはりCohen modelの一側面を公理化することが知られていた,CH^*や(P(ω),⊆)のWFNを一般化し,Juhasz,Soukup,SzentmiklossyによるC^s(κ)や,Fuchino,BrendleによるHP(κ)とのこれらの公理の関係にも新しい光をあてるSEPという性質について幾つかの新しい結果を得ている.Juasz-Kunenの仕事は幾つかの新しい自然な問題を示唆しているように思え,SEPやこの概念の変形一般化を考慮した新しい視点からの研究の可能性が開かれているようにように思える. 以上の研究結果以外にも,Ρ_κ(λ)の組合せ論,set-theoretic analysis,実数の集合論などでの各トピックでの結果が得られている.
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