内的モデルの理論と巨大基数

1998 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 10640118
• 研究機関: 神戸大学
• 研究代表者: ブレンドル ヤーグ 神戸大学, 大学院自然科学研究科, 助教授 (70301851)
• 研究分担者: 吉信 康夫 名古屋大学, 大学院人間情報学研究科, 助手 (90281063) ; 松原 洋 名古屋大学, 情報文化学部, 助教授 (30242788) ; 角田 譲 神戸大学, 工学部, 教授 (50031365)
• キーワード: 集合論 / 強制法 / 基数不変量 / Maximal Cofinitary groups

研究概要

平成10年度は、強制法(forcing)の理論と実数集合の組合せ論的性質の関係およびその応用について中心に研究を行なった。研究の概略は以下のとおりである。
1. Generic realの集合 Cohen forcingやrandom forcingといったgeneric realを付け加える古典的な強制法によって、実数集合上のσ-idealと可測制の概念が関係づけられる。idealによってforcingのgeneric realの集合の大きさがどのように変化するかという問題について、JudahとShelahはrandom realの集合が空でない零集合になり得ることを示している。このことについて、cohen realの集合の場合は空集合かやせていない集合に限ることを証明した。この結果は他の関連する結果と共に論文“How Smali Can The Sets of Generics Be?"で発表の予定である。
2. Maximal cofinitary groups 自然数集合上の置換群Sym(w)の任意のmaximal cofinitary groupの大きさが、少なくとも最小のやせていない実数数合の濃度以上になることを証明した。このことは今までに知られている結果の拡張になっており、Sym(w)と連続体の基数不変量についての研究と関係を持つ。この結果はO.Spinag,Y.Zhangとの共者論文“Uniformity of meager ideal and maximal cofinitary groups"として発表の予定である。
3. cohen拡大における組合せ論の原理 S.Fuchinoによって得られたcohen拡大を保つ公理について、ある基数不変量はZFCで必ず小さくなるという結果と、別のある基数不変量は大きくなることが無矛盾であることを示した。
これらの研究結果はS.FuchinoとL.Soukupとの共者論文として発表の予定である。

研究成果

• [文献書誌] Jorg Brendle: "Around splitting and reaping" commentationes Mathematicae Universitatis Cardinae. 39. 269-279 (1998)
• [文献書誌] Jorg Brendle: "Mutual generics and perfect free subsets" Acta Mathematica Hungarica. 82. 143-161 (1999)
• [文献書誌] Philip Welch: "Σ'_3-Absoluteness and the Second Uniform Indiscernible" Israel Journal of Mathematics. 104. 157-190 (1998)
• [文献書誌] Yo Matsubara: "Nowhere precipitousness of some ideals" Journal of symbolic logic. 63. 1003-1006 (1998)
• [文献書誌] 松原 洋: "Non-stationary ideal と universe of sets" 数学. 51(no.1). 18-33 (1999)
• [文献書誌] Jorg Brendle: "How Small Can the Set of Generics Be ?" Proceedings of the Logic Colloquium Praha 1998. (発表予定).
• [文献書誌] Philip Welch: "Minimality Arguments in the Infinite Time Turing degrees" “Sets and Proofs",Proceedings of the Logic Colloquium Leeds 1997. (発表予定).
• [文献書誌] Philip Welch: "Some remarks on the maximality of inner models" Proceedings of the Logic Colloquium Praha 1998. (発表予定).
• [文献書誌] Philip Welch: "On Successors of Jonsson Cardinals" Archive for Mathematical Logic. (発表予定).
• [文献書誌] Yo Matsubara: "The extent of the strength in the club filters" Israel Journal of Mathematics. (発表予定).