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1998 年度 実績報告書

幾何学的測度論における確率論的手法の研究

研究課題

研究課題/領域番号 10640121
研究機関山梨大学

研究代表者

中村 宗敬  山梨大学, 教育人間科学部, 助教授 (10227944)

研究分担者 中井 喜信  山梨大学, 教育人間科学部, 教授 (40022652)
鈴木 俊夫  山梨大学, 教育人間科学部, 教授 (20020472)
久保 泉  広島大学, 理学部, 教授 (70022621)
キーワードハウスドルフ次元 / パッキング次元 / 熱力学形式 / 転送作用素 / ギブス測度 / 統計的自己相似集合 / チータ・ワイル和 / 零点
研究概要

80年代後半以降、フラクタルと呼ばれる集合が精力的に扱われているが、本研究の目的はこれらの集合の次元およびそれらに付随する幾何学的測度の計算に関する厳密な数学的基礎を確立することである。以上の目標の下、測度論にとらわれずに広範囲な視点から種々のアプローチをし、以下に記す通りの具体的な成果を現在時点で得ている。
まず、中村、久保は集合の厚み、大小を計る基準となるハウスドルフ次元、パッキング次元、およびそれらに付随する測度の計算理論を厳密な数学的理論の展開を行った。その際に転送作用素、ギブス測度等の熱力学形式、重複大数の法則等の確率論的手法を用い、統計的摂動がある自己相似集合の次元に対する計算式を得た。またこの統計的な自己相似集合に関しては、ハウスドルフ測度、パッキング測度とも多くの場合、発散するという決定論的な場合とは異なる特異な結果を得た。これはブラウン運動の経路から得られる種々の図形に関して得られているテーラーの結果と類似のものである。
また中村は転送作用素のスペクトルの分布を一般的な条件下では、最大固有値が孤立していないことを示し、さらにヘルダー条件下では、これを半径とする円板内の点がすべて固有値になり、それに対応する固有空間が非加算個の基底を持つことを証明した。
さらにフラクタルに関連した数論への応用として、中井は数の分布に関する性質を研究をし、特に三次元のテータ・ワイル和に関して代数的側面から調べた。鈴木は高次行列のジョルダン標準形、多項式の零点に関する数値解析を研究し、次元の計算に関する応用を試みた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] T.Suzuki, E.Watanabe: "Numerical computation of the Jordan caronical form" IMACS series in computational and applied mathamatics, vol.4, Iterated methods in Scientific Computation. 4. 65-70 (1998)

  • [文献書誌] 中井喜信: "3次のテータ・ワイル和(I)" Memoris of the faculty of Education & Human Sciences. 49. 1-4 (1998)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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