研究課題/領域番号 |
10640121
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
数学一般(含確率論・統計数学)
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研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
中村 宗敬 山梨大学, 教育人間科学部, 助教授 (10227944)
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研究分担者 |
武藤 秀夫 山梨大学, 教育人間科学部, 助教授 (20143646)
中井 喜信 山梨大学, 教育人間科学部, 教授 (40022652)
鈴木 俊夫 山梨大学, 教育人間科学部, 教授 (20020472)
久保 泉 広島大学, 大学院・理学研究科, 教授 (70022621)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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キーワード | ハウスドルフ次元 / パッキング次元 / 転送作用素 / カントール集合 |
研究概要 |
本研究では、カントール集合などのフラクタルの幾何学的測度や次元に関する、基礎を確立することを目途とし、確率論的観点手法をこれに適用することを試みた。具体的な成果は以下の通りである。 まず、統計的自己相似なカントール集合上で、ハウスドルフ次元、パッキング次元、およびそれらに付随する測度の厳密な数学的理論の展開を行った。その際に転送作用素、ギブス測度等の熱力学形式の統計力学的な概念を用い、次元を特徴づけた。すなわち、統計的摂動がある自己相似カントール集合について、これに対応する記号力学系上で写像の微分の対数ポテンシャルによる圧力の零点がハウスドルフ次元、パッキング次元に一致することを証明した。 次に、決定論的なカントール集合では、歪んだカントール集合について解析した。ハウスドルフ次元とパッキング次元とが異なるようなカントール集合を構成し、測度の次元が記号力学系のエントロピーをその測度に関するリャープノフ指数で割ったものに等しい、ということを示した。また自己相似集合を生成する写像系が、微分が非ヘルダー連続であるような場合について、圧力の次元公式が成り立つことを証明した。 上記に関連して、自己相似集合の解析の際に重要な役割を果たす転送作用素、およびこれを拡張した擬転送作用素のスペクトルを調べた。ここでは、ヘルダー連続条件を満たさないポテンシャルをもつ作用素について扱った。この圧力を定義し、作用素のスペクトル集合が半径がこの圧力と等しい複素平面内の円板になることを証明した。
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