研究分担者 |
中神 祥臣 横浜市立大学, 理学部, 教授 (70091246)
新井 朝雄 北海道大学, 理学部, 教授 (80134807)
井上 淳 福岡大学, 理学部, 教授 (50078557)
荻 秀和 福岡大学, 理学部, 助手 (30248471)
中里 博 弘前大学, 理工学部, 教授 (10188922)
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研究概要 |
平成10年度に引き続き,研究代表者および分担者全員が研究課題に関連する研究活動を精力的に行った.代表者はまず,*-代数,ホップ代数,ホップ*-代数の各代数レベルでのtwistedテンソル積を研究した.すなわち,2つの*-代数,ホップ代数あるいはホップ*-代数A,Bに対して,通常の A,Bのテンソル積における積を,exchange mapあるいはblend mapと呼ぶものにより,変形(twist)することを考える.その結果,A,Bの(twisted)テンソル積がまた*-代数,ホップ代数あるいはホップ*-代数となるための条件を書き下すことができた.A,Bがホップ代数の場合,この条件はA,Bがmatched pairであることに相当し,(twisted)テンソル積はMajid によるbicrossed productに一致している.さらに,ホップ(*-)代数のQuantum Double構成法が(twisted)テンソル積の特別な場合であることが理解できた. Eq(2)は局所コンパクト量子群の重要な例であるが,FRT-formalismにおける量子群の構成法を少し修正したものを用いて得られ,さらにGauss分解をゆるす量子ローレンツ群はEq(2)およびその双対量子群とのQuantum Doubleであることがわかった.代表者はこれを一般化し,FRT-formalismによる三角量子群の構成,およびそれを因子にもつ Gauss分解をゆるす量子群の研究を進めた. 余準三角ホップ(*-)代数Aに対して,Quantum Double構成法を一般化することにより,n個のAからなる(twisted)テンソル積として,余準三角ホップ(*-)代数を定義することができる.平成10年度の結果により,これはAとその量子包絡環Uの二重群構成法からできるホップ(*-)代数のQuantum Doubleと深く関係していることがわかった.余準三角ホップ(*-)代数Aがさらに余半単純であるときには,Multiplierホップ(*-)代数のカテゴリーを用いて,理論が記述できることを示した.
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