研究課題/領域番号 |
10640273
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研究機関 | 広島国際大学 |
研究代表者 |
富永 孝宏 広島国際大学, 保健医療学部, 助教授 (20284151)
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研究分担者 |
伊代野 淳 岡山理科大学, 総合情報学部, 助教授 (10211757)
杉立 徹 広島大学, 理学部, 助教授 (80144806)
林 慎一郎 広島国際大学, 保健医療学部, 講師 (20238108)
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キーワード | 宇宙線 / 原子核乾板 / 画像解析 |
研究概要 |
本研究の目的は、これまでに日米共同気球実験で得られた写真乾板の解析により、10TeV/核子領域の宇宙線の組成を求めるための解析システム開発である。解析装置の開発に関する成果としては、原子核乾板中の粒子飛跡を高倍率対物レンズを用いて精度のよいに画像データとしてコンピュータに取り込むことができるように、これまで使用していた旧式ニコン製光学顕微鏡の後部にランプハウスを取り付け、ライトガイドを通して外部光源より光を取り込み、さらに集光レンズを用いて充分必要な光量が得られるように改造した。さらに厚みのある写真乳剤を通過した宇宙線粒子の飛跡データを顕微鏡の焦点を変えて取り込み、三次元画像解析を行うことを目的に、顕微鏡ステージZ軸方向の微少移動を読み取るためのデジタルエンコーダを取り付けた。 解析ソフトウェア開発に関する成果としては、宇宙線粒子の電荷測定に関して、精度の向上、測定の効率化、測定者に依存しない系統的測定を目的に、原子核乾板中の宇宙線飛跡を顕微鏡,・CCDカメラ・A/Dユニットを用いてデジタル画像化し、光学的特性として、飛跡による吸収量/光照射量で計算される光の吸収率を求めて入射粒子の電荷を求めることを試みた。電荷決定の較正はCERNで既知電荷重イオンビーム(電荷Z=8、16)に照射された原子核乾板と、GEANT3Simulation Packageを用いて原子核乾板中の粒子の振る舞いを計算して得られた光吸収率との比較により行われた。その結果、電荷分解能として、 σZ/Z=0.15√100/l (l;測定跡長 μm) が得られた。今後、粒子の入射方向依存性、写真乾板中のバックグラウンド量との関係などを詳しく調べることにより宇宙線データ解析への応用が可能になる。
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