研究概要 |
本研究は,機械システムに求められる諸機能を実現する上で必要となる「システム構造」と,そのようなシステムを物理的な実体として存在させるための形状や配置における「形態」とを統合的に操作することが求められるようなクラスの設計問題に対して,様相依存推論によるメカニズムを採り入れた柔軟な対象モデリング法を構成することを目的としている.本年度における研究実績は以下のとおりである. ●設計問題の分析…過去に実施してきた研究の成果や具体的な設計問題についての分析を通じて,概念設計や形態設計におけるシステム構造と形態に関する競合構造を分析した. ●対象モデリング法の提案…その分析結果に基づいて,連結型運動伝達機構の統合的設計のための様相依存推論に基づいた対象モデリング法として,ボロノイ図による空間分割を用いた空間操作の方法を提案した.また,関連して,連結型運動伝達機構を機構・機構鎖・機構対の各レベルで表現・操作することを基盤とした階層的な連係による設計シンセシスの方法を構想した. ●プロトタイプシステムの構築…加えて,そのような基本的な検討に基づいて,プロトタイプシステムの試作を開始した.
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