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1998 年度 実績報告書

天然化合物を用いた木材の物性制御と制御機構

研究課題

研究課題/領域番号 10660164
研究機関京都大学

研究代表者

湊 和也  京都大学, 農学研究科, 助教授 (10026601)

研究分担者 中坪 文明  京都大学, 農学研究科, 教授 (10027170)
キーワードペルナンブコ / 抽出成分 / 天然化合物 / 振動特性 / 内部摩擦 / 寸法安定生
研究概要

南米産樹木のべルナンブコ(Caesalpinia echinata Lam)や東南アジア産樹木のログウッド(Haematoxyloncampechianum Linn.)の水抽出成分を別の木材試片に注入することにより、その振動特性が大きく変化することを見出した。すなわち、多くの直鎖状あるいは芳香族化合物などを木材に注入すると、その内部摩擦は極端に増大するのが一般的である。これに反して、上記の樹木中に見出される抽出成分を木材に注入すると内部摩擦は40%以上の低下をもたらすという、全く予想を覆す結果となった。したがって、平成10年度においては、抽出成分の中の主要成分の構造を決定するとともに、その構造と付与される物性の間の相関性を明らかにすることを目的として、実験を進めてきた。また、これらの抽出成分を構成している単純な構造の芳香族化合物についても、注入による振動特性や寸法安定性の変化に対する寄与を調べた。
平成10年度内に明らかになったことは、以下の3点に要約できる。その第一は、ベルナンブコ材の主要成分がプロトサッパニンBとブラジリンであること、さらにログウッドの主要成分である、ヘマトキシリンを加えると、内部摩擦の低下をもたらす化合物はいずれもクロマン化合物と呼ばれる化学構造を有することである。第二は、これらの化合物は木材に対して極めて強力な水素結合による吸着性をもつと考えられること。第三は、これらの天然化合物が寸法安定化にはほとんど寄与しないが、これらの化合物の基本構造であるフェノール誘導、例えばピロガロールやサリゲニンの中にはある程度の寸法安定性を与えるものが存在することである。
次年度は内部摩擦の低下の機構をさらに明確にするとともに、寸法安定性や生物劣化抵抗性などを付与する天然化合物の探索を進める予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Keiko Sakai: "Effects of impregnation of simple phenolic and natural polycyclic compounds on physical properties of wood" J.Wood Sci.accepted.

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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