研究課題/領域番号 |
10670251
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
中村 信一 金沢大学, 医学部, 教授 (90019620)
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研究分担者 |
小崎 俊司 大阪府立大学, 農学部, 助教授 (10109895)
唐澤 忠宏 金沢大学, 医学部, 助教授 (90251917)
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キーワード | ボツリヌス菌 / ブチリカム菌 / E型ボツリヌス毒素 / 神経毒素産生性ブチリカム菌 / 乳児ボツリヌス症 / 食餌性ボツリヌス中毒 / ボツリヌス中毒 |
研究概要 |
神経毒素産生性ブチリカム菌(Clostridium butyricum)13株(中国江蘇省連雲港での食中毒分離2株、同地域の土壌分離2株、中国江蘇省沛県での食中毒分離1株、中国山東省済寧市での食中毒分離1株、中国山東省微山湖周辺の土壌分離5株、イタリアでの乳児ボツリヌス症分離2株)の生物学的・生化学的性状、遺伝学的症状を解析した。生化学的性状の観点から、これらの菌株は、アラビノース陽性・イヌリン陰性(イタリア株)、アラビノース陰性・イヌリン陽性(連雲港株、沛県株、済寧株)、アラビノース陰性・イヌリン陰性(微山湖株)の3群に分ける事ができた。さらに、これらの菌株にたいして、random amplified polymorphic DNA(RAPD)解析、およびpulsed field gel electrophoresis(PFGE)解析を行い、遺伝学的差異を検討した。RAPD解析の成績は、これらの菌株には少なくとも遺伝学的に異なった3群が存在することを示し、またこの群別は生化学的性状による群別と一致した。PFGE解析では、イタリア分離1株、微山湖分離2株ではDNAが分離され解析は不可能であったが、解析が可能であった10菌株についてはRAPDと同様の群別がなされた。連雲港食中毒分離株について、その産生する神経毒素を、硫酸アンモニウム塩析、DEAE-Sephadex A-50クロマトグラフィー、CM-Sepharose CL-6Bクロマトグラフィー、Sephadex G-200ゲルマトグラフィーにより精製し、イタリア分離株の毒素と比較検討した結果、両者は分子量、免疫学的性状において異なることが示唆された。11年度は遺伝子解析をも含めて毒素の性状を解析する予定である。
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