研究分担者 |
安藤 健二郎 東北大学, 医学部附属病院, 助手 (40261614)
宮崎 修吉 東北大学, 医学部, 助手 (50282075)
桜田 正寿 東北大学, 医学部附属病院, 助手 (40292320)
黒川 良望 東北大学, 医学部附属病院, 講師 (80215087)
大河内 信弘 東北大学, 医学部, 助教授 (40213673)
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研究概要 |
対象,方法:1)経皮酸素,二酸化炭素分圧測定は下肢慢性動脈閉塞症例 15例で虚血肢にprobeを装着,NTGテープ(5mg)を下腿後面遠位部に添付,90分間記録を行った.2)血流速度の測定は,7例で分圧測定と同時にNTG投与前,投与後120分後に足関節部動脈で行った.3)大腿静脈血ガス分析は6例でNTG投与前,投与後120分後に行った.4)血漿中NTG濃度測定は6例でNTG投与前,投与後120分後に投与側の大腿静脈血,上肢静脈血を採取し測定した. 結果:1)経皮酸素分圧は投与前24.3±19.6mmHg,投与後41.1±22.0mmHgと有意な上昇がみられた.二酸化炭素分圧は投与前50.1±8.5mmHg,投与後44.5±5.5mmHgと有意な下降がみられた.2)動脈血流速度測定では,投与側で+73.6±46.4%,対側で+39.6±48.6%と前値に比べ有為な増加がみられた.経皮酸素分圧の変化と投与側平均最大流速の増加率を比較すると,分圧の上昇が大きい例ほど平均最大流速の増加が大きい結果であった.3)大腿静脈血酸素飽和度は,投与前62.6±11.5%,投与後57.6±7.34%で有意差はみられなかったが,4例で約10%の低下がみられた.4)NTG5mg経皮投与時の血漿中NTG濃度は,上肢静脈血ではすべて測定感度以下であったが,投与側大腿静脈血では30分で1.69±1,67ng/ml,120分で9.99±7.06ng/mlと著明な高値であった. 虚血肢にNTGが高濃度で分布することが組織O2,CO2分圧の変化をもたらすと考えられる.経皮O2分圧の上昇に対し,大腿静脈血O2飽和度は下降したことから,NTGは血管拡張作用のほか,Hb-O2親和性に影響を与えている可能性がある. レーザー血流計による評価,NO関連物質の定量,運動負荷時の検討を行う予定である.
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