研究課題/領域番号 |
10671477
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
村上 尚 徳島大学, 医学部, 助手 (40210009)
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研究分担者 |
宮本 忠幸 徳島大学, 医学部・附属病院, 講師
石村 和敬 徳島大学, 医学部, 教授 (90112185)
桑島 正道 徳島大学, 医学部, 助教授 (00205262)
年森 清隆 宮崎医科大学, 医学部, 教授 (20094097)
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キーワード | カルニチン / カルニチン輸送担体 / 妊よう性 / JVSマウス / octn 2 / 精巣上体 / THP / 無精子症 |
研究概要 |
1991年、我々は全身性カルニチン欠乏マウス(JVSマウス)を報告し、1996年にそれがカルニチン輸送担体欠損マウスであることを示した。また1998年にはマウス octn2 (Na^+ dependent camitine transpoter)をCloningしその第6transmembrane domain にあるcodon 352のCTG(Lue)がJVSマウスではCGC(Arg)に変異していることを報告した。 JVS マウスのオスの生殖能は極めて悪く、その原因は不明であった。精子の中間部はらせん状のミトコンドリアが密に詰まっていることでよく知られているので、心臓に見られるような、ミトコンドリア増殖・変性を期待し電子顕微鏡学的に分析した。しかし、正常と全く変わらなかった。そこでオス生殖器を組織学的に系統的に分析することにした。その結果、肉眼的に精巣上体の体部と尾部の間で、閉塞(6例中5例が完全に、1例が不完全)していることを発見した。電子顕微鏡学的には、体部の精巣上体管内には多数の精子が見られその上皮細胞が平坦化し、間質に突入している所見も得られた。一方、尾部精巣上体管内には精子は見られなかった(6例中5例)。カルニチン輸送担体の特異抗体を作成しこれを用いて免疫染色を行うと、精巣上体ではJVSマウスも正常対照と同程度に染色された。 本研究をすすめるためには、JVSマウスだけを用いるには限界があるので我々はJVSマウスを可逆的に作成する方法をさがしていた。そして、ついに、心不全治療薬として開発中であった3-(2,2,2-trimethylhydrozinium)がカルニチン輸送に対し、competitive inhibitor であることを発見した。将来本研究の成就には、この物質が有力な武器になると考えられた。
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