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1998 年度 実績報告書

歯周病におけるスーパー抗原の役割とその病因的意義

研究課題

研究課題/領域番号 10671695
研究機関東北大学

研究代表者

力石 秀実  東北大学, 歯学部, 講師 (70091767)

研究分担者 菅原 俊二  東北大学, 歯学部, 助手 (10241639)
キーワード歯周病 / スーパー抗原 / LPS / サイトカイン / CD80
研究概要

細菌性スーパー抗原や他の菌体成分が免疫担当細胞の活性化を通して歯周病にどのような役割を果たしているのかを明らかにする目的で研究を行い、以下の成果が得られた。
1. SPM-2(レンサ球菌由来スーパー抗原)およびSEA(ブドウ球菌由来スーパー抗原)はヒトやウシの末梢血中のMHCクラスII^+抗原提示細胞を刺激して、IL-1β,IL-6,IL-8,TNF-αなどの炎症性サイトカインを誘導することが、RT-PCR法によりmRNAレベルで証明された。
2. 大腸菌由来LPSと比較して、口腔細菌(Prevotella intermedia)由来LPSは、ヒト末梢血中免疫担当細胞を刺激し炎症性サイトカインを誘導するとともに、後期にT細胞を増殖させる作用のあることが示された。
3. さらに、LPSにはスーパー抗原による免疫担当細胞の活性化を抑制する作用があることもわかった。すなわち、スーパー抗原はクラスII^+抗原提示細胞にCD80分子を誘導し、T細胞上のCD28分子との結合を通してT細胞に活性化の補助シグナルを与えるが、LPSはCD80の発現を抑制することにより、T細胞の活性化ならびにサイトカイン産生を制御している可能性が示された。
4. スーパー抗原を投与することにより、IgG1が選択的に増加する。スーパー抗原により誘導されるIL-4にIgG1へのクラススイッチを誘導する作用があることから、今後、スーパー抗原によるIgG1増加のメカニズムをさらに検討したい。以上のことから、歯周病の誘起には、病原因子と目される微生物成分(スーパー抗原、LPS)による免疫反応の撹乱が関与しているものと考えられる。しかしながら、LPSにはスーパー抗原による過剰な免疫反応を抑制する作用も存在し、これらの物質により引き起こされる免疫応答は複雑である。次年度は引き続きこれらの作用機構を解析したい。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] N.HORIUCHI: "Peripheral blood lymphocytes from psoriatic patients are hyporesponsive to β-streptococcal superantigens." British Journal of Dermatology. 138(2). 229-235 (1998)

  • [文献書誌] S.SUGAWARA: "Heterogeneous expression and release of CD14 by human gingival fibroblasts." Infection and Immunity. 66(7). 3043-3049 (1998)

  • [文献書誌] K.ASAI: "Variation in CD4^+ T and CD8^+ T lymphocyte subpopulations in bovine mammary gland secretions during lactating and non-lactating periods." Veterinary Immunology and Immunopathology. 65. 51-61 (1998)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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