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1998 年度 実績報告書

一酸化窒素(NO)生理作用に基づく新規薬物吸収促進システムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 10672092
研究機関昭和薬科大学

研究代表者

渡辺 善照  昭和薬科大学, 薬学部, 助教授 (70175131)

研究分担者 遠藤 和豊  昭和薬科大学, 薬学部, 教授 (50106598)
松本 光雄  昭和薬科大学, 薬学部, 教授 (10077513)
藤井 まき子  昭和薬科大学, 薬学部, 講師 (50199296)
宇都口 直樹  昭和薬科大学, 薬学部, 助手 (80276633)
キーワード一酸化窒素生理作用 / 一酸化窒素供与剤 / 吸収促進作用 / 経粘膜吸収
研究概要

近年,一酸化窒素(NO)の生体内における生理的あるいは病理的意義が注目され,心血管系,神経系,免疫系などにおいて重要なレギュレーターあるいはエフェクターとして大きな役割を演じていることが明らかにされてきた。しかし,生体膜における薬物(物質)透過に関するNOの関わりを調べた研究はほとんどなかった。薬物送達システム(DDS)分野において,NOの生理作用を利用した吸収促進システムを構築するための基盤研究として実施計画に基づき下記の検討を行った。
粘膜部位(主に直腸および鼻腔)からの難吸収性高分子の吸収に及ぼすNOの作用
モデル薬物としてポリペプチド(インスリン(MW,6000)およびrhG-CSF(MW.19000)や多糖体(FITC-dextran(MW.4000))などを選び,in vivoおよびin vitroでの生体膜透過性を調べた。
ウサギ直腸からのインスリンおよびdextranの吸収がいくつかのNO供与剤(SNAP.NOR4)の併用で有意に促進すること,およびNO消去剤を同時に用いるとこの吸収促進作用が明らかに見られるなくなることを見出し,はじめてNOが直腸粘膜からの薬物吸収を増大させることを明らかにした(Pharm.Res.15,(1998),870-876に発表)。また,単独ではほとんど吸収されないインスリンがNO供与剤(SNAP)により鼻腔粘膜から吸収されることをみいだした。さらに,分子量がインスリンの3倍であるrhG-CSFでもSNAPから遊離したNOの作用によって鼻腔粘膜から有意に吸収増大することを見出すことができた(Int.J.Pharm.投稿中)。
以上,in vivoにおいてNOが明確に薬物吸収に影響し吸収効率を増大させることを明らかにでき,NOの作用による吸収促進システムを構築するための基礎検討として成果をあげることができた。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] N.Utoguchi et al.: "Nitric Oxide Donors Enhance Rectal Absorption of Macromolecules in Rabbits" Pharm.Res.15. 870-876 (1998)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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