研究分担者 |
古山 順一 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (30068431)
掛江 直子 早稲田大学, 人間総合研究センター, 助手 (70298206)
巽 純子 京都大学, 医学研究科, 助手 (80128222)
黒木 良和 神奈川県立こども医療センター, 遺伝科, 科長
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研究概要 |
研究目的:遺伝子診断・検査,遺伝子医療など,遺伝子に関する新しい医療は,これまでの医療と次の2点において著しく異なる。(1)病気の発症のはるか前に発癌の予測が可能であり,それはしばしば確定的である。(2)1人の遺伝子に関する情報は,その人の血縁者全員にある確率で共通する。このような問題を伴う遺伝子医療には倫理的配慮が不可欠であり,本研究はわが国における遺伝子医療にかかわる諸問題を明らかにし,検討することを目的とする。 研究経過と成果:研究代表者および研究分担者は,それぞれの分担課題について,主に文献・資料の調査を行なうとともに,一部は患者・家族などの意向調査や遺伝子解析を行った。それらの研究成果は2回の研究会(平成10年10月および平成11年1月)で各分担者から報告されるとともに,2年の研究期間の終了時には報告書としてとりまとめて発表する予定である。本年度の研究によって,次の諸課題が検討された。 (1) 日本人は遺伝あるいは家系(家の名,血筋などの概念)について,西欧諸国の人々とはかなり異なる否定的なイメージを抱いている。 (2) 一方世界的に共通する概念があり,これまで日本的とみられていた因果応報といった概念が,イギリスで重大な論点とされたりした。 (3) 日本(あるいはアジア)に適した指針・ガイドラインが必要であり,本研究で試作中である。
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