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1998 年度 実績報告書

オーナー制による棚田の保全

研究課題

研究課題/領域番号 10680091
研究機関早稲田大学

研究代表者

中島 峰広  早稲田大学, 教育学部, 教授 (00063587)

キーワード棚田 / オーナー制 / グリーン・ツーリズム / 千枚田
研究概要

本年度に実施した3地区の調査により、棚田保全のオーナー制について、次にような特徴が明らかになった。(1)梼原町神在居地区は、最初にオーナー制をとり入れたところである。大都市圏から遠隔地にあるという地理的条件を克服するために、グリーン・ツーリズム的展開により、オーナーが滞在して作業できるような体制が整えられ、比較的に高い作業参加率が実現されている。会費は管理費を賄ったうえで、保存会員の親睦旅行の費用に当てられている。地権者である地元農民とオーナーは、カントリーハウスでの夜の親交により、その関係を濃密なものにしている。
(2)更埴市姨捨地区は、復田された棚田がオーナー制の対象になっている。東京大都市圏に比較的近く、また県都長野市に隣接しているという地理的有利性を生かして、比較的に高い作業参加率が実現されている。オーナー田以外の復田された棚田の全域で維持管理が行われているが、管理費は会費によって賄れている。地元農民とオーナーとの交流は、オーナーに団体会員が多いなどの理由により不活発である。景観保全とオーナーの農業体験に重きが置かれるオーナー制が展開されている。
(3)紀和町丸山地区は、条令によって棚田の保全が図られているところであり、姨捨地区同様に復田された棚田がオーナー制の対象になっている。大都市圏から遠隔地にあるという地理的条件から、オーナーの経済的支援に重きを置き、自身による耕作を義務づけていないため、作業参加率は低い。また、景観保全の趣旨からオーナー田以外の比較的広い復田された棚田の維持管理を行うために、管理費は会費の2倍以上に及び、その不足を助成する町の財政を圧迫している。町と地元農民が一体となって名実ともに千枚田といわれるに相応しい棚田の景観保全に傾注したオーナー制が展開されている。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 中島峰広: "日本の棚田" 古今書院, 240 (1999)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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