平成11年に引き続き、家文書を調査し、食事記録に関する記事の目録を作成した。下記目録については、個別に各家の文書についての解題を記し、その他の文書については、その概要と特徴について「その他の文書」として示した。 (1)古橋家文書 (2)真田家文書 (3)土屋家文書 (4)八田家文書 (5)佐藤家文書 (6)小川家文書 (7)美濃高木家文書 (8)大炊御門家文書 (9)千秋家文書 (10)玉尾家文書 また、真田家文書、八田家文書の食事記録の関連、その内容の特徴について、平成11年10月には、日本調理科学会に、また平成12年6月の日本家政学会において発表した。真田藩の御用商人であった八田家文書の食事記録は、真田家家老日記などの同年の記事から調査の結果、真田藩主真田幸弘の隠居後の食事記録であることが明らかになった。その食事は、通常、朝食、夕食、夜食ごとに食事内容が簡単に記されており、実質は一日3食であっても、1日2度食の名残がみられる。また、朝食、夕食とも一汁二菜、夜食が一汁一菜で、日常食は比較的簡素であった。
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