研究概要 |
デオキシリボース酸化に対する抑制効果をリン酸緩衝液pH7.4中で、10μMCuあるいはFe存在下で1mMH_2O_2を添加して生じるMDA生産量で比較した結果、椎茸(国産及び中国産)で強い活性が見られたが、浅野バイオ研究所のヒラタケから得た抽出物もそれに劣らないものであることが分かった。この活性物質は低分子量で、メンブランフィルターを用いた実験で12,500以下の熱安定物質であることが分かった。ゲル濾過での溶出パターンから、これまで分離精製してきたASK-1との違いははっきりしなかったが、ヒラタケから抽出した5種類のLot.を用いて血小板凝集活性との間に相関が認められた。 ASK-1は、これまでのヒト投与で線溶亢進が認められているが、直接のウロキナーゼ及びトロンビンを用いたclot lysis time(フィブリン形成)法でもキノコ類抽出液の添加によってその線溶亢進活性の見られることが分かった。 内皮細胞への添加実験は、我々が最近開発したfibrinolysis accelater(環状ペプチド)と標準フィブリン平板を組み合わせた方法を用いて初めて超微量の酵素の活性が確認できるという新しい検出法を確立したので、今後この方法でヒト臍帯内皮細胞から培養中へのウロキナーゼタイプ・プラスミノーゲンアクチベーター(u-PA)及びティッシュタイプ・プラスミノーゲンアクチベーター(t-PA)の両方を合わせた活性型酵素の産生量を比較検討する予定である。
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