細胞レベルでの効能成分ASK-1の添加効果を明らかにするため、その判定感度増強物質としてFAS(fibrinolysis accelerating substance)を納豆より熱安定性の黄褐色粉末として分離した。また、プラスミノーゲンアクチベーター(PA)産生細胞はヒト臍帯内皮よりも培養が容易で再現性の高い子宮由来の"PA産生細胞"を用いた。これらとZymographyを組み合わせることによって、tPAとuPAの産生量の比率を同時に測ることが可能となった。ASK-1でヒト細胞より放出されるPAはこの判定系を用いて、主要なものはtPAと思われる分子量7万のものであり、他に5万及びPAと培養液中の他の血清タンパクとの複合体と思われる10万以上の3種類が確認された。 ASK-1にはこれまでの血小板凝集阻害活性と共に2-デオキシリボースに対する抗酸化活性あるいはレクチン活性が含まれており、これらが5種類の微生物酵素(アセロチームA、セルラーゼオノズカ、セルラーゼYNC、セルラーゼPS及びファンセラーゼ)で処理後、Celiteカラムを通すことで濃縮されることが分かった。また、酵素及び熱処理を行う前のヒラタケの粗抽出物中には亜硝酸法でこれまで活性が高いとされた納豆以上に強いSOD活性(958±402CU/g)が検出されたが、このものは90℃、10分間の熱処理でほぼ完全失活することが分かった。 in vivo実験で濃縮された同ヒラタケ抽出物を体重250〜300gのうウイスター系ラットに摂取させ、体重増加率の減少すること、またヒトがそれを摂取した場合は食欲抑制も見られることが分かった。
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