研究課題/領域番号 |
10680316
|
研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
田中 豊 岡山大学, 環境理工学部, 教授 (20127567)
|
研究分担者 |
栗原 考次 岡山大学, 環境理工学部, 助教授 (20170087)
垂水 共之 岡山大学, 環境理工学部, 教授 (50033915)
大竹 正徳 岡山大学, 環境理工学部, 教授 (40284088)
|
キーワード | influence analysis / sensitivity analysis / local influence / influence function / principal component analysis / multiple-case diagnostics / canonical correlation analysis |
研究概要 |
平成11年度の研究実施計画のうち、1)影響関数に基づく方法とクックの局所影響に基づく方法の関係の研究、2)空間データ解析法における感度分析法の開発、3)開発してきた感度分析法の汎用プログラムの作成、の3つに重点的に取り組んだ。 1)については、一般の統計モデル(正規分布・最尤法の場合)について、(等式制約の有/無)x(全パラメータ/一部のパラメータ)の4通りの場合について、二つの接近法が複数観測値診断に関して同じ結果を与えることを証明した。その結果については、博士課程の学生との共著の形(Tanaka&Zhang)で国際計算機統計学会の雑誌に掲載され、証明の細かい部分についての補足が環境理工学部の研究報告に張・田中論文として公表されている。この研究はわれわれの複数観測値診断研究の基礎を形成しているが、本年5月のバンフでの国際学会では、さらに複数観測値のmasking/swampingといった現象について、主成分分析の場合を例として、詳細な検討結果を報告する予定である。 2)については、定常空間データの予測の3つのプロセス、(1)バリオグラムの推定、(2)バリオグラム・モデルの当てはめ、(3)バリオグラム・モデルを利用した最適予測、の各段階の統計量への影響関数を導き、それに基づいた、それぞれの段階での感度分析の方法を提案した。さらには、共変量のある場合の相互バリオグラムヘの影響関数を導出した。それらの成果は、ヘルシンキで開催された国際統計協会第52回大会で発表(Choi et al.,1999)したほか、一部は韓国データ解析学会の学会誌に掲載され(印刷中)、別の一部は日本の学会誌に投稿中、また、数値的な結果は環境理工学部研究報告に公表している。 3)については、正規分布・最尤法で定式化される多変量解析における感度分析のWindows版汎用ソフトウエアを開発し、Mori et al.共著でCOMPSTAT'98に公表した。現在の版では探索的および確認的因子分析、主成分分析、正準相関分析の感度分析が組み込まれている。手法の追加ならびに機能の追加は今後の課題である。現在、摂動の入れ方にバラエティを持たせること、ならびに複数観測値診断の部分を充実させることに力を注いでいる。
|