研究課題/領域番号 |
10680496
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研究機関 | 東京水産大学 |
研究代表者 |
橋本 伸哉 東京水産大学, 水産学部, 助手 (10228413)
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研究分担者 |
大槻 晃 東京水産大学, 水産学部, 教授 (30101041)
羽曽部 正豪 東京水産大学, 水産学部, 助教授 (10218464)
原 彰彦 北海道大学, 水産学部, 教授 (40091483)
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キーワード | マコガレイ / ビテロジェニン / 魚類 / 東京湾 / 内分泌かく乱物質 / マイクロプレート発光法 |
研究概要 |
これまでの研究で、東京湾と北海道知内沖で採取したマコガレイ(Pleuroncctes yokohamae)血清中のビテロジェニン(VTG:雌特異血清タンパク)の測定を蛍光法で行い、東京湾の雄で一年を通してVTGが検出され、北海道の雄ではそのほとんどが検出限界以下であったことを見い出した。雄血清中のVTGは魚類が内分泌かく乱物質に曝露されたことの指標となるため、自然の状態での雄VTG値を知ることは重要である。そこで蛍光法より高感度な発光法を用いて、雄マコガレイ血清中の低濃度VTGの測定を試みた。 -実験- 96穴マイクロプレートを用い、化学発光法を利用したサンドウィッチELISAを開発した。マコガレイの血清ビテロジェニンを測定するためにリポビテリン(VTGの主要構成タンパク)に対する抗血清(一次抗体)を作製し、その抗体よりF(ab')_2を精製しビオチン標識抗体(二次抗体)を調整した。一次・二次抗体及び発光基質の濃度や反応時間などの最適条件を求めた。確立した測定系を用いて雄マコガレイ血清中のVTGの測定し、これまでの蛍光法との比較も行った。 -結果- 広範囲(数十pg/ml〜数十ng/ml)に渡ってVTGの明瞭な検量線が得られ、ブランク値も蛍光法と比較して低く抑えることができた。蛍光法と比較して検出下限が2桁程下がり、同じマコガレイ血清を蛍光法と発光法で同時に測定してみたところ、蛍光法では検出限界以下であったものが発光法では数ng/mlであった。高感度な発光法を用いたELISAにより、雄マコガレイの血清中の低濃度VTGを測定することが可能となった。
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