研究課題/領域番号 |
10877382
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
掛江 直子 早稲田大学, 人間総合研究センター, 助手 (70298206)
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研究分担者 |
木村 利人 早稲田大学, 人間科学部, 教授 (80195388)
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キーワード | Informed Consent / Truth Telling / Children's Competence / Pediatric Care / Decision-making / Children / Cancer / Bioethics |
研究概要 |
近年日本では、日常の診療において、徐々に患者本人に対するインフォームド・コンセントの必要性・重要性が認識されるようになってきた。しかし、被験者や患者が未成年者(幼児・小児)の場合、知識、経験、理解力等が不十分であるという理由によって、その同意能力は法的には認められていない。 本研究では、このような日本の小児医療の現状に対して、「子どもの理解力や知識は加齢とともに連続的に獲得されていくものであり、未成年者でも成長発達の程度により、かなりの理解力を有する者も出てくる」という仮説を基に、小児がん患児の成長発達に合わせた適切な支援を提供し、その意向を尊重するための具体的な方策を開発・提案すること、ならびに、小児医療において、如何にして患児の人間の尊厳を護り育てていくかといったバイオエシックスの問題についても提言を行うことを目的としている。 そこで、本年は基礎的な研究として、 1) 小児がん医療の領域におけるインフォームド・コンセントに関する研究・実態調査等の文献調査およびレビュー研究 2) 患児に対して情報提供をする際に用いられている方法に関する資料および情報の収集 3) 患児の親に対して情報提供をする際に用いられている方法に関する資料および情報の収集 4) 諸外国における患児・親に対する情報提供および支援方法の資料・情報の収集 5) 小児がん経験者を対象とした、病名告知やインフォームド・コンセントに対する意識に関する聞き取り調査 以上の調査研究を進め、小児がんの子どもがかなりの理解力を有していること等、有益な知見を得ている。
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