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2012 年度 実績報告書

ディオクレティアヌス帝以降のローマ帝国における皇帝と軍隊の政治史研究

研究課題

研究課題/領域番号 10J05686
研究機関東北大学

研究代表者

小坂 俊介  東北大学, 大学院・文学研究科, 特別研究員(DC1)

キーワードアンミアヌス・マルケリヌス / 後期ローマ帝国 / 古代末期 / コンスタンティウス2世 / 書記官 / オロシウス / ソクラテス・スコラスティコス / ユリアヌス
研究概要

本年度はまず、前年度までに達成された研究成果の更なる発展を目標として研究を進めた。第一に後期ローマ帝国政治史に関する重要史料であるアンミアヌス・マルケリヌス『歴史』に関する先行研究の調査を進めることとし、5月23日から6月1日にかけて、イギリスのロンドン大学古典学研究所において文献調査を実施した。この調査によって国内では入手不可能であった多数の史料・研究文献を収集することができた。
第二に昨年政治史的観点から分析を加えたシルウァヌス反乱事件に関して、文学史的観点からの分析を改めて加えた。この事件に関してはアンミアヌスの記述がその後の歴史叙述において受容されたことが判明している。本研究では、アンミアヌスの記述が事件の当事者による直接的証言であることと、ギリシア・ラテン語歴史叙述の伝統においてはそのような証言が信憑性を持つとして重視されたことに注目し、アンミアヌス記述を受容した後代のキリスト教徒著作家が、実は古代の伝統を継受する存在であることを明らかにした。この研究成果を国際会議にて口頭報告し、高い評価を得た。
第三に後期ローマ帝国における書記官の活動について考察した。書記官は本来皇帝に仕える速記係であったが、時に罪人の逮捕などの特別任務に従事していた。本研究では特にコンスタンティウス2世支配期に活動した「鎖」のパウルスに注目し、その活動の実態を再構成するとともに、アンミアヌスによる記述の執筆意図にも考察を加えた。その結果、パウルスの特別任務の実態を詳細に再構成することに成功し、加えてアンミアヌスの記述に同時代史料が影響を与えた可能性をも見出すことができた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2012 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] アンミアヌス・マルケリヌス『歴史』に関する近年の研究動向2012

    • 著者名/発表者名
      小坂俊介
    • 雑誌名

      Studia Classica

      巻: 3 ページ: 165-190

    • 査読あり
  • [学会発表] The use of Ammianus Marcellinus by Christian authors: Orosius and Socrates Scholasticus2012

    • 著者名/発表者名
      Shunsuke KOSAKA
    • 学会等名
      The 7th Asia-Pacific Early Christian Studies Society Conference
    • 発表場所
      Seoul, South Korea
    • 年月日
      2012-07-05
  • [備考]

    • URL

      http://researchmap.jp/gokanoamo/

URL: 

公開日: 2014-07-16  

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